KIRARI MACHINOHITO

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【武術家】 夏原 佳江(なつはら よしえ)

皆さん”太極拳”ってご存知ですか?体操の様な、スポーツの様な…、何となくイメージできると思いますが、哲学拳とも呼ばれる武術なんです。その技を競う全日本太極拳選手権大会で、2連覇(24式の部)を成し遂げておられる人を今回はご紹介します。

彦根市三津町(稲枝地区)にお住まいの、武術家、夏原佳江さんです。全日本太極拳選手権大会は夏の高校野球甲子園大会の様に、各都道府県から年齢別・男女別6名が24式競技で勝ち上がり、トーナメント競技で優勝を争います。ですからこの金メダルは、24式競技の部では6人だけが持っているのですね。凄いでしょ!!! 24式太極拳というのは、全世界に太極拳を広めるために作られたもので、日本でも世界でも最もポピュラーなものです。

 

子供の頃に大病を患い、大きな手術をされた夏原さんは、体が強く体力があるという人ではありませんでした。結婚後、どうにか家事や子育てに従事されていましたが、30才を過ぎた頃から体調が悪くなられたそうです。「何とか体力をつけなければ…」と思うのですが、ハンディがあるため激しいスポーツは出来ないしと、自分に合う体力づくりの方法を探されました。ある日、彦根市の市民講座の中から見つけた太極拳の講座に、参加する決意をされました。その講座は太極拳の24の技を、12回の講座で全て教えるというものでした。「今から思えば、そんなハードスケジュールで24式の全てをマスターできるはずがないんですよ」と夏原さん。しかし、当時を無我夢中で、ガムシャラに講座を受講されたそうです。訳も解らないうちに全ての講座が終わり、紹介されるままに講座のメンバー達とサークルに入られました。最初は体調が悪かったのでとても辛かったそうですが、次第に体が緩む効果なのか楽になったそうです。また、技の練習は精神集中が必要で体と頭を使うため、日々の出来事が忘れてしまえてストレス発散にもなりました。更に、元来、病気のために話す事が苦手だった夏原さんですが、太極拳は体で自分を表現でき、自分の気持ちが前向きになれたと言われます。

 

これらの効果が、夏原さんを太極拳へと引き込んでいきました。検定試験を受け続け、気が付いた時には最上級の3段を取得(2001年)しておられました。夏原さんはこの時期を前後して、自分の教室を開催されています。生徒さんを教えるかたわら、自分の技も磨き、「何時かは日本一になる」と口癖のように言われ続けていたそうです。2003年に3位、それから4年連続で2位、そして頂点へと立たれたのです。「出来ない時期から目標を持つ。そして、気張らずに続ける。念じて自己暗示をかける」これが成果を出す秘訣だと夏原さんは話されます。「念ずれば花開く」ですね。

 

現在は太極拳関係のたくさんの公職、湖東・東近江地域での太極拳教室、勿論、主婦としての家事、と多忙な日々を過ごされています。しかし、太極拳の極意で淡々と事を終えていかれるそうです。「毎日頑張るけど、意識で頑張らずにリラックスして生きる」「体を動かす事は大きな負担ではないんだけど、せなアカンと頭で考えるから辛くなる。葛藤が出来たらしんどいんですよ」と夏原さん。太極拳って、生き方にもつながる、奥の深いものですね。

 

 

各地の教室には、病気のリハビリとしてや持病を持ちながら、太極拳をやられてる人がたくさんおられるそうです。「自分も病気をしてるから、その人達の気持ちが良く解る」と無理のない指導を夏原さんは心がけておられます。肩こりや腰痛の対処や予防になるそうです。一度、体験されてみてはいかがですか。

真遊健康太極拳 夏原様 ℡0749-43-6456
e-mail mayuu._ .yoshie@vodafon.ne.jp

 

 

太極拳の運動の哲理は、「老子」、「荘子」、「孔子」、「孫子」など(紀元前400~600年頃)の思想の影響を受けているものです(陰陽思想など)。中国の古代から連綿と伝わる智慧と文化に基づいて、幾多のすぐれた武術家によって作りだされたものが太極拳です。

「太極」とは、天地万物が生成する以前の状態から、万物が生成・発展・変化するきっかけを作るものである、と考えられます。さらに「太極」から「両儀=陰陽」が生まれる、と考えられます。

 

「形練習」では、
1)姿勢をまっすぐに保ち、ゆっくりと伸びやかに動く。
2)心を落ち着けてリラックスし、体の筋肉や関節を、緊張させず、柔らかく、軽く、ゆるめて動かす。
3)動作の前に意識が先行する=「意識で動作を導く」(「用意不用力」)。
4)呼吸は動作に合わせて、ゆっくりと自然に行う。
5)無理のない全身運動で、練習中も、終わったあとも、気持ちがいい運動。

1)健康の効果:
太極拳の健康効果としては、次の事柄が挙げられます。
①筋肉への効果:
ゆっくりした意識的全身運動で、全身の筋繊維(特に下半身)を効率よく動員するので、足腰の筋肉が強化される。 ⇒ 「転倒防止効果」
②大脳への効果:
意識が導く運動により、大脳皮質の血行が増加し大脳が活性化される。
③内臓への効果:
練習中は、血液は身体の表部(筋肉)に集まっているが、運動が終了すると反対に内臓の活動を盛んにし、副次的に消化吸収を助長する。
④精神面への効果:
練習により、脳波にアルファー波が発生する。また、エンドルフィンが分泌され、「気持ち良さ」を作り出し、精神面、情緒面に良好な効果をもたらす。
⑤減量の効果:
ゆっくりした動作により、脳内にセロトニンという食欲抑制物質が作られる。太極拳を始める前に強い空腹感があっても、終わった後に空腹感が消失していることは、愛好者が均しく経験している。
⑥脊椎および軟部組織への効果:
上下、前後、左右に無理なく動く全身運動は、現代人に欠落している背骨の運動として非常に効果的である。
⑦自己治癒能力への効果:
太極拳の運動によって、心肺機能が増進し、血液性状が良好に保たれる結果、自己防衛免疫能力も増え、病気にかかりにくく、またかかっても回復が早い体質に改善される(風邪引きが減る、早く治るなど)。

2)生きがいの効果:
太極拳は、力を使わずリラックスして行う、身体にやさしい運動ですが、「やさしい」ということは、「簡単すぎる」ことではありません。
「ゆっくりと均一の速度で、力を使わずに動く」ことは、現代人の生活習慣にないもので、手足のバランスを保ってゆっくり動かすことは、ある種の「むつかしさ」を伴います。
このむつかしさに上手につきあうなかで、上達への意欲を保ち、達成感を得ることができます。このことは、生涯スポーツとしての楽しさの源泉と言えます。一生を通じて楽しむことができて、少しずつ上達の達成感が得られることで、大きな生きがいが得られるものです。
また、愛好者が向上の目標を保つことができるように、「太極拳技能検定制度」(5 級~1級の級位、初段~3 段の段位)があり、全国数十万人の愛好者が向上を目指して励んでいます。

 

夏原さんは、昨年開催された”スポレク滋賀2008”太極拳大会でも優勝されています。の会社にお勤めだった頃から、趣味としてガラス作りを始められた田中さん。そのきっかけは、たまたま近くにガラス工芸を教えてくれる先生がいたから…、とかだったそうです。しかし、やり始めると凝り性な性分が幸いして、すっかりガラス作りに魅了されてしまったそうです。そして何と4年後には、自ら工房を持って創作活動をされるようになりました。「父親の死と子供の巣立ちを機に、会社を早期退職してガラスの世界に飛び込んだ」「あの頃が人生の転機やったな。親友の死に直面し、あんなに元気だった父親が障害者になってしまった。父親自身も、まさかこんな姿になるとは思ってもいんかったやろに…」と牧野さんは振り返られます。奥様の理解と協力という後押しもあって、2005年5月『ガラス工房 善』の誕生です。

 

滋賀県下でも、個人で吹きガラスをされている工房は少ないそうです。その理由は、設備費用が高くつくからだそうです。なるほど、そうそうたる設備ですね。
そのうえ、常に釜に火を入れて入れておかねばならないらしく、光熱費もバカになりません。

 

さて本題に戻りまして、牧野さんは創作活動の素材はすべて、エコガラスと呼ばれるリサイクルガラスを使われます。エコガラスはバージンガラスに比べると3倍程度早く冷えるため、なかなか加工しにくいのだそうですが、なぜエコガラスにこだわられるのでしょうか。「環境問題って言うのもあるけど、生活に密着している牛乳・コーラ・酒・焼酎・醤油などの瓶で作ると、まったり感って言うか、表現は難しいけど何とも言えんいい味が出るんよ」「このまったり感が僕のカラーなんよ」と牧野さん。素材づくりのために、一日中瓶を洗う日もあるそうです。この手間や燃料費などトータルコストで考えると、エコガラスもバージンガラスも同じ様なものになるとも話されていました。

 

創作活動は週に2回、1回に30個程度しか作品は生まれません。「夏場の器は泡が似合う。清涼感が出るもんな」と今は、”泡モノ”と呼ばれる作品を創作中です。クラフト展で出会う作家達との話や作品を見る事が、とても刺激になるらしく、「感動した作品を見ると、勉強のために一度マネをして作ってみる」「上手く出来ない事もあるけどね」と言われます。また牧野さんは「布団に入ってから眠るまでの間、ガラスの事ばかり考えるん。この時間が至福の時やなぁ」とも。デザインや使う素材の構想を練る事は難しいのでしょうが、楽しくもあり苦しくもありなのでしょうね。作品はインターネット販売もやられていますが、やっばり、各地のクラフト展やギャラリーでの販売がメインです。11月から1月の3ヶ月間は工房はお休み。販売活動に専念されます。ガラス工房を始めた牧野さんが一番やりたかった事が、自分で作って、自分で売る事でした。お客さんとのやり取りの中で作品のヒントを見つけたり、作品を一番良く見せるためのレイアウトを考えたり、何よりも作品を気に入って買ってもらえる時が最高に幸せで「これがなければ、とっくにやめている」と牧野さんは笑われます。しかし、自分が気に入った作品や、ギャラリーのオーナーが「これは売れる」と言った作品は余り売れないそうです。ですから、自己満足で自己主張し過ぎる作品は、最近は作る事を控えておられるとか。仕方がないかもしれませんが、少し寂しい気がします。

 

 

毎月1回ガラスづくり教室〔1回3時間コース、4000円/回〕も開催されていますが、インターネットのホームページに掲載されている程度ですし、『ガラス工房 善』の場所はわかりにくいですから…。吹きガラスは簡単に入りやすく、奥が深い世界だそうですから、皆さんも気軽にガラス体験してみませんか?マニア向けに工房をレンタルする事も出来ます。

来る7/10~12まで、ひこね市文化プラザ〔彦根市野田町187-4〕にて牧野善昭さんのガラス展示会が開催されます。…とは言っても、奥様のパッチワークキルト展に便乗されるのですが。”Warm House”〔彦根市小泉町596-1℡0749-22-0513〕牧野孝子さんの『第6回パッチワークキルト展』です。是非、ご覧になって下さい。

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