KIRARI MACHINOHITO

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【ガラス作家】 牧野 善昭(まきの よしあき)

今回は彦根市三津町(稲枝地区)にお住まいの、ガラス作家、牧野善昭さんをご紹介します。

会社にお勤めだった頃から、趣味としてガラス作りを始められた田中さん。そのきっかけは、たまたま近くにガラス工芸を教えてくれる先生がいたから…、とかだったそうです。しかし、やり始めると凝り性な性分が幸いして、すっかりガラス作りに魅了されてしまったそうです。そして何と4年後には、自ら工房を持って創作活動をされるようになりました。「父親の死と子供の巣立ちを機に、会社を早期退職してガラスの世界に飛び込んだ」「あの頃が人生の転機やったな。親友の死に直面し、あんなに元気だった父親が障害者になってしまった。父親自身も、まさかこんな姿になるとは思ってもいんかったやろに…」と牧野さんは振り返られます。奥様の理解と協力という後押しもあって、2005年5月『ガラス工房 善』の誕生です。

 

滋賀県下でも、個人で吹きガラスをされている工房は少ないそうです。その理由は、設備費用が高くつくからだそうです。なるほど、そうそうたる設備ですね。釜の写真入れる そのうえ、常に釜に火を入れて入れておかねばならないらしく、光熱費もバカになりません。

 

 

さて本題に戻りまして、牧野さんは創作活動の素材はすべて、エコガラスと呼ばれるリサイクルガラスを使われます。エコガラスはバージンガラスに比べると3倍程度早く冷えるため、なかなか加工しにくいのだそうですが、なぜエコガラスにこだわられるのでしょうか。「環境問題って言うのもあるけど、生活に密着している牛乳・コーラ・酒・焼酎・醤油などの瓶で作ると、まったり感って言うか、表現は難しいけど何とも言えんいい味が出るんよ」「このまったり感が僕のカラーなんよ」と牧野さん。素材づくりのために、一日中瓶を洗う日もあるそうです。この手間や燃料費などトータルコストで考えると、エコガラスもバージンガラスも同じ様なものになるとも話されていました。

 

創作活動は週に2回、1回に30個程度しか作品は生まれません。「夏場の器は泡が似合う。清涼感が出るもんな」と今は、”泡モノ”と呼ばれる作品を創作中です。クラフト展で出会う作家達との話や作品を見る事が、とても刺激になるらしく、「感動した作品を見ると、勉強のために一度マネをして作ってみる」「上手く出来ない事もあるけどね」と言われます。また牧野さんは「布団に入ってから眠るまでの間、ガラスの事ばかり考えるん。この時間が至福の時やなぁ」とも。デザインや使う素材の構想を練る事は難しいのでしょうが、楽しくもあり苦しくもありなのでしょうね。作品はインターネット販売もやられていますが、やっばり、各地のクラフト展やギャラリーでの販売がメインです。11月から1月の3ヶ月間は工房はお休み。販売活動に専念されます。ガラス工房を始めた牧野さんが一番やりたかった事が、自分で作って、自分で売る事でした。お客さんとのやり取りの中で作品のヒントを見つけたり、作品を一番良く見せるためのレイアウトを考えたり、何よりも作品を気に入って買ってもらえる時が最高に幸せで「これがなければ、とっくにやめている」と牧野さんは笑われます。しかし、自分が気に入った作品や、ギャラリーのオーナーが「これは売れる」と言った作品は余り売れないそうです。ですから、自己満足で自己主張し過ぎる作品は、最近は作る事を控えておられるとか。仕方がないかもしれませんが、少し寂しい気がします。

 

毎月1回ガラスづくり教室〔1回3時間コース、4000円/回〕も開催されていますが、インターネットのホームページに掲載されている程度ですし、『ガラス工房 善』の場所はわかりにくいですから…。吹きガラスは簡単に入りやすく、奥が深い世界だそうですから、皆さんも気軽にガラス体験してみませんか?マニア向けに工房をレンタルする事も出来ます。

 

来る7/10~12まで、ひこね市文化プラザ〔彦根市野田町187-4〕にて牧野善昭さんのガラス展示会が開催されます。…とは言っても、奥様のパッチワークキルト展に便乗されるのですが。”Warm House”〔彦根市小泉町596-1℡0749-22-0513〕牧野孝子さんの『第6回パッチワークキルト展』です。是非、ご覧になって下さい。

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