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【アイアンクラフト】 畑山 正之(はたやま まさゆき)

今回は、甲賀市水口町酒人にお住まいの畑山正之さんをご紹介します。 

建物の内外装に使う、ロートアイアンを皆さんはご存知ですよね。畑山さんはロートアイアンも手掛けるメタルデザイナーです。

芸術大学を卒業された後、しばらくの間定職に就かず、仲間達と共に工芸や看板を営む企業の助っ人として、プロの技術提供のアルバイトをしておられました。今で言えば”フリーター”の元祖の様なものですか…。そんな経験を経て、ようやく自分の生きる場所を選ばれました。それがメタルデザイナーでした。創作活動を続けるかたわら、京都の知恩寺の”百万遍さんの手づくり市”や東寺の”弘法市”に出展し、作品の販売活動を続けられました。最初は良く売れたのですが…、思う様にはなかなか売れません。自信作が初めて売れたのが、アート・クラフトフェスティバルIN”たんば”だったそうです。「ようやく認められたと、本当に嬉しかった」と畑山さん。また、作家がたくさん集まり出展の難しい、クラフトフェアー”まつもと”にも参加されています。でも最近は「クラフトフェアーは行くだけ赤字」と言うことで、近場の東近江市(旧湖東町)のアートギャラリー・ヘムスロイドや舞鶴のアート&クラフトフェアーのみ、毎年出展されています。今でも、それ以外には展示販売する場所も機会も少ないため、アルバイトをしながら生計を立てておられる…とか。芸術家は辛いですね。何とかブレークスルーして、作家として大成してもらいたいですね。

 

たくさんの作家がいないとの理由で始められたメタルデザイナーですが、本当は鉄が大好きな畑山さん。「重いとか、サビとか言われるけど、炙って叩けば思うように加工ができるし、常時使ってもらえれば手垢でサビないんだ」と嬉しそうに話されます。「蜜ロウや漆や鯨油は、自然素材で安心なサビ止めとして昔から使われてたんよ」と、創られた作品は蜜ロウを塗って、サビ止めの塗装をされています。畑山さんのこだわりですね。柔らかな人間らしさ溢れる物を、畑山さんはデザインされます。「デザインをマネされたりすることはありませんか?」とおたずねすると、「メタルアートは狭い世界だから、誰かのマネをすればすぐに解ってしまうんよ」「でも簡単に作れる作品には、刻印の代わりにヒネリを入れて、自分のオリジナルであると解るようにしている」とオリジナルのこだわりを話されます。「メタルアートでも特にロートアイアンなんかは、外国製のパーツを購入して、溶接で組立てるものが増えているし、文字型もコンピュータ制御の機械でカットして作るというのが主流なんよ。僕はこだわりもあってガスで切ってる。まあ、高い機械が買えへんという理由も歩けど…」と笑って話されます。工房の土間にはくず鉄としか思えない鉄が散在していますが、そう言われればこれら全てがすべて、メタルアートの部品なんですね。よく見ると作品も無造作に置かれています。

 

畑山さんの作品は、曲線に打出したり、鎚目(ハンマーの跡)をつけて味わいを出したりと、工程に手が込んでいます。それは目指されている創作活動が「堅くて冷たいもの、サビるものを、優しくて温かみのあるものへと作品にしていきたい」という思いからなんですよ。

 

アートギャラリー・ヘムスロイドは、今年も5/23,24に開催されます。畑山さんの出展されますので、機会があれば是非、アートギャラリー・ヘムスロイドへお出かけ下さい。
今回は畑山さんの作品を、5名の皆様にプレゼントします。

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