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【木工・彫刻家】 齋藤 江湖(さいとう こうこ)

今回は東近江市八日市上之町にお住まいの、篆刻家(てんこくか)齋藤江湖さんをご紹介します。

齋藤さんは高校卒業後、6年間の修行を積まれた後、ハンコ屋さんの三代目としてサイトウ明印館を営んでおられます。そのかたわらで数々の展覧会に出品し、2001年には「全国技能グランプリ・印章彫刻の部」で金賞を受賞されました。しかし、篆刻家として一流にはなったのですが、金賞受賞ということ以外、自分の環境が何も変わることはありませんでした。齋藤さんはそこで「これを使ってどう商売をするか」を自問されましたが…。ある日、画家から絵を渡されたお客さんがすごく喜んでいる姿を見て、どうすれば自分があんな風になれるだろうかと考えられました。各地のアートフェアを回ったり、露店でハンコを売ったりと精力的に活動しているなか、商売のヒントとなる出会いに遭遇されました。

 

若者の間で「ひっかけ橋」とも言われる大阪の戎橋で露店を開いていた時、やっと買ってくれたお客さんは外国人。その外国人のために漢字でハンコを造ると、すごく喜んでくれました。「これだ!!!これを自分の仕事にしてみよう」と思われ、始められたのが ”ハンコの彫刻ライブ” だそうです。お客さんの目の前でハンコを彫り、手彫りの良さを知ってもらうために、日本各地のイベント会場や百貨店で、果てはイギリスやドイツなどの海外で “ハンコの彫刻ライブ” を開くようになられました。

 

「”ハンコの彫刻ライブ”はお客さんとの勝負」だと齋藤さんは言われます。お客さんにおもしろいモノや感動されるモノ、自分の作品として良いモノを提供したいと願い、その都度の勝負に挑戦されます。また、“ハンコの彫刻ライブ”を日本人や外国人がハンコをどう感じ、興味を持つかの情報収集する場としても活用されています。

 

 

一流の篆刻家としてのしっかりした仕事と、“ハンコの彫刻ライブ”で培った感性と掴んだニーズで、デザイン性や可愛さを盛り込んだ、遊び心のある仕事をマッチングさせながらつくられたハンコは、「点」のかわりに花びらがあしらってあったり、文字全体で笑顔が表現されていたりとユニークなものばかり。

齋藤さんの手にかかれば、かたいイメージの銀行印でさえかわいらしいハンコに早変わりです。「最近はコンピューターを使って彫刻されるハンコも多くなり、同姓なら形も同じになりがちです。本来、ハンコは持ち主を証明する役割を持ちます。同じではダメなんです」と齋藤さん。

 

お客さんの要望に自分の技術をプラスすることでオンリーワンのハンコを作る。これこそが篆刻家としてのハンコづくりの醍醐味。「『名前』とは、その人が一生を共にする大切なもの。『名前』に関わる仕事が出来てうれしい」と齋藤さん。どんなハンコをつくってもらえるのか楽しみですよ。

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