KIRARI MACHINOHITO

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【草木染】 友政 まり子(ともまさ まりこ)

今回は東近江市五個荘山本町にお住まいの、友政まり子さんをご紹介します。

服飾デザインも洋裁も学ばれたことはありませんが、自分が着たい服や楽しい気分になれる服を創ってみようと始められて、もう25年程になるそうです。作業はオリジナルの生地作りから、自分で綿や麻の布を買って化学染料で好きな色に染められます。それを裁断し、デザイン通り組み合わせ、縫製、仕上げの作業を経て世界に一つだけの服の完成です。アートイン長浜などの地域のイベントに出展したり、個展を開催したりと精力的に活動され、友政さんの服や袋物が欲しい人達が現れました。しかし、…友政さんにはその多くの要望にすべて応えることはできません。なぜなら友政さんには、趣味の延長線上でプロにはならず、こじんまり、ひっそりと活動したいとの思いがあったからです。

創作活動を続けておられるある日、ハギレの布が山積みになっているのを眺めていると、「捨てるようなグス布で、主人の様に絵を描いてみよう」と考えられました。これが後に、滋賀県展工芸の部で大賞や特選を数多く受賞される布絵となるのです。布絵は1年で一番思い出に残ったことをモチーフに製作されます。材料はゴミとして捨てられていた、あり合わせのハギレの布です。ご覧下さい、どの作品も力作揃いです。私は一目で「ひまわりの絵」のとりこになったのですが…、これらは残念なことに非売品なんです。

 

 

現在、友政さんが夢中になっておられるモノが草木染です。当初は化学染料で布を染められていたのですが、身近な草木を使ってみたら、味のある独特の色や想像もできないかった色が出ることに、たいそう感激されました。また、それらが時が経つにつれて、味わいや深みのあるモノに変化していきます。

もうすっかり、友政さんは草木染に魅せられています。栗、梅、桜、花梨、ビワ、ザクロ、ウコン、セイタカアワダチ草、剪定された杉の枝など、わざわざ山に行かなくても自宅の回りある草木の中から、染めやすい草木を選んで染料にされるのです。染色に使う道具は、身の回りにあるものを利用して、自分で作れるものは手作りして間に合わせておられます。なかでも傑作は、ガソリンスタンドでもらったオイル缶の蒸し器。「布絵もそうなんですが、なんと言ってもタダ、廃物利用ですから…」だとか。下染めしておいた麻布に、下書き通り蝋を置いて、煮て漉した液を刷毛や筆で塗り、乾いたら媒染液を塗りと…。この工程を何度も何度も繰り返し、濃い色をつくっていく仕上げていかれるのです。大変な作業ですね。友政さんの原点は、日常の暮らしの中から、何かを表現したいという気持ち。見るモノ、感じるモノ、思いのままに創作活動を続けられ、「毎年同じことを繰り返せることは、ただそれだけで幸い」と日々に感謝されています。

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