KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
芸術・文化・伝統・風土を育む

紙・玩具作家 【紙・玩具作家】 田中 正之(たなか まさゆき)

今回は、彦根市で果物店を営んでおられるダンボールアート作家の、田中和之さんをご紹介します。

田中さんが「ダンボールアート」を始めたきっかけは、友人が持っていた信楽焼の壷。ひと目見て素晴らしい作品だと思ったが…、とても高くて買えませんでした。子供のためにおもちゃを手作りされていた田中さんは、果物の梱包に使われた大量のダンボールを見て、「それならこれを使って自分で作ってみよう」と思いついたそうです。ダンボールで壷を作るなんて…。見本があるわけでもなく、悪戦苦闘の末、ようやく立派な壷が完成しました。製作中の試行錯誤でダンボールの特性もつかみ、強度を増すための向きや柔かさを表現する独自の手法もマスターされたそうです。その後、お店のモニュメントにと店舗の片隅で、キリンの製作に着手されました。仕事の合間の製作ですから工程がかかったそうですが、おおよその形が出来てくると「だいぶ出来たな」「何になるのかな」と通りがかりの人達が声を掛けてくれ、ずいぶん励まされたそうです。

 

ある日、NHKから取材の話がありました。ダンボールアートの製作から完成までの工程の全てを、3ヶ月間密着の取材がしたいとのことでした。取材を了承された田中さんは、ワニを作る事に決め、いよいよ公開製作に着手されました。実物の大きさにかなり近いワニは、目や口や指先とひと目で難しいと解るところ、背中やシッポや手足と単純そうに見えて簡単ではないところと、段ボールを折ったり曲げたり、薄くはがして貼り付けたり、色むらを出すために絵具を塗ってニスを塗ったりと、大変な作業だったそうですが、『熱中時間〜忙中”趣味“あり、見るに値する』のタイトルで、2006年9月22日放映されました。

 

お店の2階にダンボールアート・ギャラリーのオープンも決まり、アニメ・キャラクターの製作もされました。田中さんは「本当は人まねのキャラクター作りは面白くないんだけど、子供達に喜んでもらおうと作ってみました」と話されます。田中さんのギャラリーでは、アニメ・キャラクターや動物、壷や家具やカロムにオセロ、ひこにゃんまでと、段ボールの力作ぞろいです。入場無料で遊び場としての利用も出来ますから、皆さんも是非一度覗いて下さい。

 

現在田中さんは、捨てる物に新しい命を吹き込む”エコ・マインド“を育むことや、創造力や達成感というものづくりの楽しさを味わってもらうと、市内の小学校で月に一度親子を対象にダンボールアート教室を開催されています。「大きさも形もアバウトで、手を動かしている間に自然に形が出来たり、絵具を塗ってそれらしくなったり、ダンボールアートの楽しさを満喫してもらっています」と田中さんは楽しそうに話されます。

 

「17年もやっていると、出来るか出来ないかが解るようになってしまうんですが、段ボールの特性を生かしてイメージ通りの形を作り上げること。形ができると出来上がりのイメージが解りますから、とても励みになるんですよね。

 

そして、工夫すればなんでも作れるし、仕上げのニスや絵の具の使い方次第で、色々なものの素材感までも表現できますから」と田中さんはダンボールアートの醍醐味を話して下さいます。最後に田中さんの夢をお聞きしました。「今の場所は狭いからムリなんだけど、ダンボールアートの動物園を作りたいんです」とのことでした。いつか、ダンボールアートの動物園が出来ればいいですね。

 

Contact

お問合せ

■ 法人のお客様はこちら

0120-072-834

月〜金 9:00-18:00 定休:土日祝

■ 個人のお客様はこちら

0120-15-4939

9:00-18:00