ふるさとに
芸術・文化・伝統・風土を育む
4年前にひょんな事から鼻笛製作を始められました。焼物を学び、作風を創るには時間がかかるし、土で楽器を作ってみようとオカリナを作りに取掛られましたが、結果は散々だったみたいです。「オカリナは穴を指で押さえて音を出すため、大きさや穴の位置などが繊細で、簡単にできるモノではなかったんですわ」と澤田さんは笑われます。
そこで「オカリナ、土笛」とネット検索すると、鼻笛が出てきたそうです。そこには作り方まで載っていたので、早速作ってみられました。初めて音が出た自作第一号がこの笛。土の塊に穴が開いている、子供の粘土細工の様ですが…。ちなみに隣にあのが、ある作家が日本で初めて作られたモノ。
「息の入口と出口の造形がしっかり出来ていれば、形はどんなものにでもデザインできるんですよ」と話されます。厚みの薄い鼻笛の作品が出来、自然乾燥の後、試しに吹いてみると割れてしまったり、鼻笛作りは試行錯誤の連続だったそうです。「この時はとても悔しくて、窯を買ってしまいました」と澤田さん。
顔の形の鼻笛が出来るまで1年半、今では強度のある軽い、たくさんの焼物の作品が出来ました。この頃、澤田さんには二つの目標がありました。
一つは、知人の彫刻家が吹ける鼻笛を作ること。そしもう一つは、技術を追求し、4オクターブの音が出る鼻笛を作ることです。素材も土に留まらず、木や紙も使う様になりました。「陶器は万人向けで初心者にも吹き易い。木は吹くのが難しいが音域が広い。それぞれに特徴があるんです。紙は吹き易い上、自分で作る楽しみを体験してもらいたいと考案してみたんです」とのこと。昨年秋に知人の彫刻家が、木の鼻笛を吹けるようになられました。そして今年1月に、4オクターブの音の出る鼻笛が完成し、澤田さんの大きな目標が達成されました。現在は3年前から出展しているヘムスロイドの杜まつり2014のために、陶器・木・紙と鼻笛の制作に追われておられます。
少しでも多くの人に、鼻笛を楽しんでもらいたい澤田さん。演奏活動は多くはないのですが、阪神間友の会のメンの友人はいつも私を励まし気遣ってくれる心優しい方です。メールチェックすると、『なみだのラブレター』ヨシモトブックスから抜粋したエピソードが掲載していました。このエピソードに触れ心が震えました。そして更に仕事へ邁進するきっかけにもなりました。愛する皆さも感動エピソートを紹介させて頂きます。では、始まり、始まり・・・。
モティマハルバーとして活躍中です。そのほか日本鼻笛協会と命名された世田谷友の会をはじめ、富士山・伊勢・練馬・阪神間と5つの友の会が現在演奏活動をしています。なかでも伊勢友の会は毎年年末に、ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章『歓喜の歌』の演奏会を開催されているとのことです。
近くであればクラフト展出展やワークショップ開催は大歓迎の澤田さん。「みんなで一緒に作って、自分で作った作品を自分で吹く楽しみを味わって欲しい。これだけが私の夢です」と話されていました。ハガキサイズにまとめられたクラフト鼻笛キット。
是非皆さんも作ってみて、鼻笛体験してみませんか。