KIRARI MACHINOHITO

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【陶芸家】中根 啓(なかね けい)

今回は東近江市山上町(旧永源寺)にお住まいの陶芸家、中根啓さんをご紹介します。

京都の短大で油絵を学ばれた中根さんは、これからどうしようかと様々な工房を回り、職人さんたちの仕事ぶりを見学されていました。その一つの陶芸工房で「うちで仕事するか」と声を掛けられ、たまたま持っていた履歴書を渡し採用が決まったそうです。当時を振返り「特に焼物に興味があったわけではなかったんですよ」と中根さんは笑われます。毎日、窯入れ釜出しの肉体労働、絵付けの仕事や裏場の仕事と、色々の経験をさせてもらえたそうです。「底を擦る作業は最後の工程だから、全ての仕事が分かるんです。陶芸の技術の幅と歴史の奥行を、裏場の仕事は教えてくれました。この時、陶芸が自分に合っている、飽きない仕事だと実感しました」と天職との出会いを語られました。それから6年京焼の窯元で、絵付師として精を出されます。

 

その後の2年は韓国、越前、美濃、益子で京焼とは違う焼物の美しさや、それぞれの独自工法を学ばれました。85年から蒲生町の小さな工房で7年間活動され、92年に旧永源寺町の山間の里にある町営のキャンプ場「愛郷の森」の中、清流、渋川のほとりに工房『八風窯』を設立されました。中根さんの陶器の特徴は、陶器の良さを最大限に引出した磁器の様な仕上がりです。

 

「手作り、手書き、明るい色」と中根さん。展示会では、造り手の美の基準だけでなく、美は見る人の目の中にあるんだから、もっと気楽に、好き、嫌いで見てもらいたいと言われているそうです。ところで、中根さんの焼物は京焼きですかとお尋ねすると「焼物は土の産地の名前がつくのが大半ですが、京焼は贈答文化で育まれてきたので、デザインや小さくて手の込んだものが多いのです。おまけに今では、どの窯元の土もブレンドして作ることも出来ますし…。まあ言うなら、元気に生きる道具を作るやきもの屋ですわ」と中根さん。

 

2000年までは各地へ作品を卸して販売されていたそうですが、この年から売上げが激減し、営業方針を大きく転換されました。そのきっかけとなったのがクラフト展への出店で、現場で直接、お客様の声を聞いたり、お客様からの悩み事のメールをもらわれてからです。「子供が喜んで食べる様な楽しい茶碗を造って欲しい、体に安全な食器を造って欲しいなんて声を聞くと、食べるための和む道具、食卓を明るく励ます器を作りたくなったんです」と話されます。毎年、25ヶ所程度のクラフト展に参加されるそうですが、そこでお客様と直接話すダイレクト・マーケティングされ、作品のアイディアや作り手の顔を見せることによる安心提供をされています。

 

「暮しの中で使う道具ですから同じ用途のモノは一通り持っておられます。その中で、安心で手作りのモノが欲しい、あのオッチャンの作るもんはどこかオモシロ、なんか芸というか味がある」そう言われるのが一番うれしいと中根さんは笑われます。

 

一年中夢みたいに理想的な環境で仕事ができて、やわらかい感じで、とても丈夫な暮らしを和ます道具作りでお客様に喜んでもらう。こんな中根さんに、出会いに行かれては如何ですか。

 

八風窯(はっぷうよう) Tel・Fax 0748-27-1955
〒527-0231 東近江市山上町1
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