KIRARI MACHINOHITO

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【造形作家】平野 明子(ひらの あきこ)

 今回は東近江市垣見町にある共同アトリエSoilで活動されています、造形作家の平野明子さんをご紹介します。田舎で育った平野さんは、外では田んぼで虫やオタマジャクシ、ザリガニなどと遊ぶ日々を、家ではマンガを読んだり、絵を描いたり、のんびり伸び伸びと過ごされたそうです。高校生の時に、学校の近くにある県立近代美術館で開催されていた、アメリカ人作家ジョナサン・ボロフスキーの半生を振り返る、日本で初めての展覧会が平野さんの人生を変えました。ジョナサン・ボロフスキーは自分の見た夢、新聞の報道写真、雑誌の広告などから得た様々な人間像を絵にし、そのイメージを更に立体作品へと発展させる創作家で、展覧会には初期の作品から最新作までを含む、絵画、彫刻、素描、オブジェ、ビデオなどが展示されていました。平野さんは「とても不思議で面白い存在の作品に、何をしてもいいんだ、自由なんだと感じました」と振り返られます。これをきっかけに、美術大学への進学を決められました。

大学では染織を学ばれるのですが、卒業直後の1年間だけ仕事の傍ら、石粉入りの紙粘土で型どり、アクリル絵の具で着色する人形製作を趣味として取組まれます。「母のモノづくりに取組む姿が好きで、子どもの頃に良く作った紙粘土で生き物をつくりたいと思ったんですよ」と当時の心境を話されます。それから18年間、イベント会社で、ディスプレイ、イベントステージなどの立体デザイン、2年間、グラフィック・デザインでチラシやリーフレット制作などの平面デザインに携わられるのです。その後も、美術館での展示企画や製造業など様々な仕事に就かれましたが、4年前のある日「個展を開きたい」と仕事を辞めて、再び創作活動に取組まれます。「絵本作りへの憧れもありましたが、何かを作りたいと考えた時、平面と立体の楽しさを併せ持ち、手のひらの感覚と感触で形を作る紙粘土の造形に再挑戦することにしました」と笑われます。
そしていよいよ2018年京都のカフェにて、個展「Forest Tea Party」を開催されます。さらに翌年、個展「Magical Forest Tea Party」を滋賀で、巡回展「Magical Forest Tea Party」を三重で開催されました。「人や動物など存在自体がアートですから、純粋に好きなモノを形にしています。それを形にするのですから、作品には物語と世界があるんですよ」と話され、人形製作と個展の開催に取組まれています。
さらに平野さんの挑戦は続きます。筒井大介さん主宰のnowaki絵本ワークショップに約1年間参加され、来春には憧れの絵本作り、夢の出版へ向けて今も取組まれています。平野ワールドの絵本、楽しみですね。
最後にこれからの活動についてお聞きしました。「個展を開催して、多くの出会いから可能性も広げたいですし、今やっている事をミックスして、自由に表現したいですね。喜んでもらえる作品作りと自分がやりたい創作活動が共存出来て、良い流れができてきています。しばらく人形造形の活動が滞っていますが、作品をたくさん作って「ここにいる」を感じられる生き物たちを、多くの人に見てもらいたいと願っています」と未来を語られました。これからのご活躍、楽しみですね。

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