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【写真愛好家】森居 治夫(もりい はるお)

 今回は東近江市佐野町(旧能登川)にお住いの写真愛好家、森居治夫をご紹介します。
お父さんがカメラ店を営まれていた森居さんは、子供の頃からカメラやフィルム、暗室や現像液の臭いが身近な存在としてあったそうです。しかしそんなモノには目もくれず、カッコいい自動車に憧れ、モータリゼーションの波に飲み込まれておられました。「父の仕事は写真館ではなくカメラ屋でしたから、写真にも興味がなく、商売を継ぐ気なんて全くなかったですね」と話されます。

1999年、世界初のカメラ付携帯電話が日本で生まれ、「写メール」機能付き携帯電話が普及し始めた頃、森居さんは気になる風景を写メされました。今から16年前の事です。「風景を撮ったかな、記憶は曖昧ですが。何時でも、何処でも、気軽に、簡単に撮れるのがいいですよね。カメラや機材にお金がかかり、今まで遠い存在だった写真が身近なものになりましたね」と森居さん。その5年後、2009年から一眼レフを片手に、カメラマンバックや三脚を担いで本格的に森居さんの撮影活動が始まりました。
ともかく遠くの物が撮りたいと思われ、望遠レンズを買って空を飛ぶ飛行機を取り始められました。その後、曽我沼のミコアイサ(パンダ鴨)、早崎内湖のコハクチョウなどの野鳥を撮られます。花緑公園の蝶トンボ、恵美須溜の花や風景と、広範囲に面白いモノやきれいなモノを撮り続けられています。しかし、撮影スポットにこだわらず、自分が「ここ」と感じる好きな場所へ何回も足しげく通って、チャンスに出会うのが森居流だとか。「朝早くから車で遠くまで出かけ、何が何でも撮ると何時間も撮りたいモノを待ち続け、シャッターチャンスにシャッターを押す瞬間がたまらなく好き」と笑われます。作品をブログに掲載されていますが、自信作は展覧会に出してみようと、秋山庄太郎の「花」写真コンテスト展に応募されます。その結果、2012年の第8回に「白いルコウソウ」で入選、2016年には「ナガハミズアオイ」で準特選を取られました。「自分としては入選の時の写真の方が気に入っていたのですが、この写真で準特選をとれたことが不思議でした」と振り返られます。
お父様が亡くなられてから、本格的に写真を撮られる様になられたのですが、お父様もカメラ店をやる前に、故郷で写真館をしておられた事実を聞かされます。「導かれたというか、父と同じ楽しみを持つとは思ってもいませんでした。今でもこの家に、写真のガラスの原版があるんです。ネガとして現像できるか解りませんが…」と話されます。始められた時期には写真家のグループに参画したり、誰かに師事した方が上達するとアドバイスを受けられますが「自分が楽しめたらいいや」とずっと自己流でやってこられた森居さん。これもお父様のDNAなのかもわかりませんね。
現在は自宅付近の身近な場所が活動の場ですが、蛍の光跡やカワセミなど瓜生川にも新たな発見があるようです。「元気なうちに生まれ故郷の、近江鉄道のある風景をとりたいなぁ」と話される森居さんの表情は、遠足の前の子供の様な顔でした。趣味は奥が深く、やればやる程納得できるモノにたどり着けませんが、多く人に感動を与える作品を撮り続けて欲しいモノです。益々のご活躍、楽しみにしています。

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