KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
芸術・文化・伝統・風土を育む

【着付け師】杉本 まりえ(すぎもと まりえ)

 今回は東近江市五個荘川並町を拠点に、伝統的な日本文化で地域活性化の活動されています、杉本まりえさんをご紹介します。東京で着付け教室のブランディングの仕事をされていた杉本さんは、学生時代に馴染みのある京都近辺で関西での活動拠点を探せたらと、近江八幡で開催されていた琵琶湖ビエンナーレを訪れられました。そこでタイムスリップした様な街並に出会い「昔の日本の風景を多くの人に知って欲しい」と思われたそうです。近江の地産地消にこだわり、普段から身近にある旬の食材を調理して、ハレの席に提供されているご主人と縁あって結婚され、近江八幡や五個荘という近江商人の史跡や文化に触れながら、暮らされることとなりました。

そして6年前から、商人屋敷や街並みの中ですっかり着ることがなくなった着物を着て、子どもの記念写真を撮るイベントを始められたのです。「写真館での記念写真もいいけれど、里山や商人屋敷でハレ着を着て記念撮影をするって最高でしょ」と話されます。人日(じんじつ)・七草の節句(1/7)、上巳(じょうし)・桃の節句(3/3)、端午(たんご)・菖蒲の節句(5/5)、七夕(しちせき)・笹竹の節句(7/7)、重陽(ちょうよう)・菊の節句(9/9)の五節句は、今も馴染みのある伝統行事。旧暦のその日に着物を着飾って祝おうと、職場のパートさんや友人などの身近な人達で和装を楽しむサークル作り、節句を楽しまれています。着物の良さを熟知し、振返られる様な着付けの会や着物を着たくなる会をブランディングされていただけに、着物への愛着は人一倍の杉本さん。「量り売り位の金額に絶望するほど、古い着物って売ると安いんですよ。一度着せて破棄してもいいんで、タンスの中に眠っている着物に、日の目を見せてあげたいとの思いではじめました」と笑われます。
3年程前からSNSで『日本文化を多世代で体感し祝う会』と銘打って、発信される様になりました。昨年秋に開催された地域イベント『東近江 ちいさなたびいち』にも参画され、今しか残せないかけがえのない一瞬を、地域の名所である近江商人屋敷の素晴らしい庭先で、思い出を写真に切り撮られました。子ども達はとても嬉しがり、その姿を見たお母さん達のテンションも上がります。「お母さん達は、地元の良い所を意外に知らないんです。だからこのサークルで、若いお母さんにも里山や古民家、着物姿がステキ&カッコイイと思える見せ方を皆で研究して、SNSでの発信を続けているんです」と話されます。今年も4/9~10に満開の桜のもとで、上巳(じょうし)・桃の節句を楽しむイベントを開催される予定です。
コロナ禍で様々な行事・祭事が中止になる中、杉本さんは地域の熟年者で守り続けられてきた伝統が、廃れて行く様な危機感を感じられているとか。「何気ない日々の地味で泥臭い活動が、廃れ忘れられていく文化を守ってきたんです。この危機をチャンスと捉え、新しい物の見方で伝統や文化の見せ方を工夫して、ここに住む若者や子ども達が誇れるふるさとづくりがしたいですね」と話されます。廃れていく文化を守りたいと感じる人が、よそ者、若者、変わり者だけではないことを願います。
現在、懐石料理店を経営されていますが、今後は五個荘の良さを体感してもらえる様な宿泊滞在施設 野庵(やあん)を計画され、一人でも多くの人に日本の田舎の良さを知ってもらいたいと奮闘中です。

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