KIRARI MACHINOHITO

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【和紙工芸家】南 康弘(みなみ やすひろ)

 今回は近江八幡市安土町常楽寺にお住いの、和紙工芸家の南康弘さんをご紹介します。着物をタンスに仕舞う時に包む紙、あの包み紙を『たとう紙(文庫紙)』と言います。皆さんご存じでしたか。「たとう紙」は平安時代では和歌や文を書くためのものでしたが、時代と共に物を包む目的の紙となりました。特に洋服の普及によって反物から着物を自分で仕立てる事が少なくなり、呉服屋で仕立てた着物をたとう紙に包み納品するようになりました。この時代の変化で、たとう紙の用途が広がり需要も増えました。南さんは35年前から和装関連製品の総合販売している会社の『たとう紙』だけを加工製造されています。

大切な物、思い出のある物を大事に長く使う事こそ、持続可能社会を目指す行動の基本です。たとう紙はこの活動に大きな貢献をしています。着物は洋服以上にデリケートですから、いつまでも美しく保つためには、しまう前のお手入れが大切。湿気を取り除き、汚れを落としてからしまうことが基本で、着用後は着物ハンガーにかけて一晩陰干しをし、たとう紙に包んでタンスにしまいます。長期間収納している場合でも、年に3回程度はカビ・変色・色褪せを防ぐための「虫干し」は必須です。しかし「虫干し」は時間と手間のかかる大変な仕事。時間がないと言われる皆さんには、半年に1回の目安でタンスを開けて、たとう紙を広げて空気を入れ替えるだけでもいいとか。できれば、3年毎に新しいたとう紙に入れ替え、着物が清々しくなる様にしてもらえれば、良い物を長く大事に使い続けてもらえるそうです。「着物に新しい空気を吹き込んでもらえるだけでも良いんです。着物の嬉しい声が聞こえますよ」と南さんは笑われます。昨年から「お客様の顔が見えるモノ作りがしたい」と、ホームページの通販サイトからの販売を始められました。着物を入れる従来のモノを、デザインや部品の使い方で雰囲気がずいぶん変わります。タオル、手拭い、扇子や地場産の絹のフェイスパフなどを入れるための、オリジナルサイズのたとう紙も制作され、高級感あふれる商品づくりに一役かっています。「依頼され、企画し、モノがジャストフィットした時ほど嬉しいことはないです」と話されます。今後はこれら和テイストを海外に発信し、外国人の和装愛好家やクールジャパンファンへの提供に努めたいと考えておられます。また南さんはFMひこねで、スピリチュアル系ラジオ番組【yasmiiの紙神の遊び】のパーソナリティーを担当されています。「古来より神々が集う国『日本』ここでは全ての物に神が宿ると、ものを大切にする歴史と文化があります。紙も1300年余りの歴史があり、私達の生活に欠かせない物ですから、神様と紙にまつわる驚くような神秘的な話題や占いなどが中心のトーク番組です。スピリチュアルも能動的に活用すれば、人生の可能性を広げることや幸運をつかむことにつながりますからね」と照れながら話されます。仕事と遊びを通じて、多くの出会いと可能性を広げられる南さん。これからも大和心と文化を伝える伝道師として、数多くのクールジャパンファンをつくり続けて欲しいものですね。益々のご活躍を楽しみにしています。

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