KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
芸術・文化・伝統・風土を育む

【画家】 藤井 路夫(ふじい みちお)

今回は、東近江市きぬがさ町(旧能登川地区)にお住いの画家・藤井路夫さんをご紹介します。

13歳の頃、能登川の駅前商店街で開催されていた、絵画サークル・エスカルゴ展に飾られていた風景画に感銘を受けられたことが、画家人生のはじまりとなりました。その後、美術科の先生に油彩一式を揃えてもらい、身近な物や風景を自宅にて一心不乱に描き続けられたそうです。「当時、登下校時にある川や橋などの風景を油彩で描いていました。美術の教科書が愛読書であり、お年玉で石膏像を買う様な少年でした」と微笑まれます。中学では美術部に所属し、油絵の制作に打ち込まれました。絵画一筋、順当に美術大学を卒業されたのですが、制作に行き詰まり、制作活動を停止。卒業後はニューヨークへ渡米され、一年間滞在の後、中学校教員を経て、美術研究所を発足し、その傍ら、創作活動を再開されました。「今思えば、その頃の制作は、無意味でした。虚勢を張るだけの創作活動でしたね」と藤井さんは話されます。そうして、30代半ばより、基礎から自らを正すべく、日本洋画界を代表する画家を数多く輩出した京都の関西美術院という制作場所で、石膏や人物を徹底して研究するに至ったそうです。

 

そんな時、藤井さんに転機が訪れます。師と仰げる画家・辻真砂さんとの出会いでした。指導してもらえる存在の大きさは、計り知れないようですね。その後、様々な試行錯誤を繰り返し、原点に回帰するかのごとく、13才の頃に描いていた風景画を描かれることとなります。「具象や抽象表現を体感した者にとって、普通の風景を描くことは、強い抵抗感がありましたが、恐る恐る風景を描くうちに、自然に描けている自分に気づいたんです」と話されます。森本仁平画伯の「絵に人の気配や暮らしがあって風景は輝きを増す」との言葉や存在にも、大きく影響を受けられたそうです。作品の題材は、小学校の通学路や田地・伊庭内湖など、素朴で身近な風景を主とし、所有するスバル360を構成した風景や鉄道・駅舎・欧州の風景なども描かれるようになり、今も新たな境地を探求する制作の日々を継続しておられます。現在の作品発表の場は、大手百貨店の美術画廊。2001年に東京で開催された個展以降、東京を拠点に、大阪・名古屋・福岡・仙台とプロの画家として活動展開され、全国各地に多数のコレクターがおられる様です。

 

自らが良しとする作品を模索し、制作に尽力されていますが「無垢で純粋な心を持っていた13歳の頃の自分を超えられない」と話されます。今目指す画家の姿は、油絵を描き始めた少年期の自分自身。

 

少年期へ回帰するかのごとくの取り組みは、自らの生き様を絵に託し、絵画の魅力を多くの人達に伝えて続けられることでしょう。今後のご活躍を、ご期待します。

Contact

お問合せ

■ 法人のお客様はこちら

0120-072-834

月〜金 9:00-18:00 定休:土日祝

■ 個人のお客様はこちら

0120-15-4939

9:00-18:00