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【画家】 柳澤 一芸(やなぎさわ いちげい)

今回は近江八幡市古川町にお住まいの、ヨシ筆で麗人画を描かれている柳澤一芸さんをご紹介します。 

群馬県生まれの柳澤さんは、滋賀県立職業訓練校(現在/テクノカレッジ)の指導員として滋賀県に来られました。老若取りまぜた生徒達に、37年間板金、溶接、塗装を教え、校長を歴任されて退職されました。

 

若い時から絵が好きで、様々な技法の描き方を経験されてきました。最後にたどり着いたのが水墨画、もう20年になるとか。「今までやってきたこと全て、誰にも習わずに我流でやってきました。我流がポリシーなんです」と柳澤さん。色紙に麗人画を描き始められたのですが、これでは世界が小さいと…。薄手のヨシ紙に書かれるのですが、薄くてうまく仕上がりません。

 

そんな時、馴染みのお店で葭嘉(よしか)の西川嘉右衛門さんと出会い、模造紙サイズで厚紙のヨシ紙が入手できる様になりました。10年前のことです。そして5年前、柳澤さんの作風が大きく変わる出来事が。千賀伸一さんが考案されたヨシ筆との出会いです。白雲閣で開催されたヨシ筆づくりの教室でした。もともと文字を書くために作られたものでしたが、お許しをもらい絵画用として刷毛の様にアレンジされました。「このヨシ筆で描くと、何とも味わいのあるランダムな自然の線が描け、絵がとても良くなったんです」と柳澤さんは話されます。以来、ヨシに惚れ込み、ヨシの紙とヨシ筆で描くことにこだわられます。そしてもう一つ、柳澤さんのこだわりがあります。まだ仕事をされていた頃、学校で縫製を教える服飾デザイナーから、作品に対して指摘があったそうです。「目は目尻から描かなければ、同じ目を二つ描いているだけです」というものだったそうです。しかし右利きの柳澤さんには、右目を目尻から描くことは不可能でした。その時から、左目、鼻、唇、胸のふくらみと流れる黒髪だけで描き続けておられます。

 

「麗人画は目が命。不敵で魅力的な目、何もかも許す優しく愛らしい唇、これらのバランスをとる鼻、ここまで描ければ良し悪しが分かります。後は、桜の様に墨の散り際の良さです」と言われる様に、下書きもスケッチもせず、心を無にして5~10分、迫力満点の一筆の勢いで描かれます。「下絵を描けば筆の奴隷になる。

 

次どう描かねばならないと考えると手にブレーキがかかる。だから、真っ白な状態で描くんです」と話されます。現在使われている『麗人画』は、ヨシにこだわり始めた頃に旧友が命名してくれたそうです。現在は紙だけでなく、洋服や古着の和服に染料で麗人画を描かれるそうです。これがまたとても好評だとか。こだわり満載の麗人画は、近江八幡の『ギャラリー淡海座』『味葦庵』『ギャラリースペース新町浜』にて、展示・販売されています。

 

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