KIRARI MACHINOHITO

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【版画家】 野田 拓真(のだ たくま) 藍子(あ い こ)

今回は和南町(旧永源寺)にお住まいの版画家、野田拓真さんと藍子さんをご紹介します。 

野田拓真さんは子供の頃からモノづくりへの取組み、姿勢、心構え、出来た時の喜びや達成感を、染色作家として作品づくりにこだわるお父様の姿を見て育たれました。版画家として活躍される今、意識はしていなかったと言われますが、大きな影響を受けられたに違いありません。「たまたま近くに住んでいますので、現在も作家の先輩として、父親として色々と相談できるし、チャンスも与えてくれたりと心強い存在です」と話されます。

 

美術大学卒業後、唐紙を製造・販売しているお店で、5年間伝統技術を学ばれました。唐紙とは木版を用いて和紙に手摺りで文様などを施した装飾的な襖紙です。もともと平安時代に中国から伝わった料紙などの装飾紙ですが、和紙漉き技術の発達とともに、襖や屏風、衝立などにも用いられるようになり、現在では襖紙=唐紙とまで言われるようになりました。「版画を仕事にしたいと何も知らずに飛び込んだところが、江戸時代から続く京都の老舗唐紙工房でした。唐紙は何枚もの襖に張られたときにムラがあってはいけません。

 

摺った文様に均一性を求められるところが難しいです」と拓真さん。その頃藍子さんは、木を使って半立体的なレリーフを製作する作家活動をされていました。

 

ご結婚を機会に、藍子さんのデザインされた木を、拓真さんが唐紙としてとして仕上げてみてはと、共同製作を始められました。お二人の始めての作品は、お父様の家の襖。それからしばらくは、お父様と一緒に展示会をされたり、知ってもらうために、声をかけてもらえば、どこでも展示会に参加されました。しかし、もう少し違う見せ方や作品をもっと感じて欲しいと、毎回コンセプトを決めて展示会の開催されるようになりました。「私達の作品は工芸的であり美術的でもありますが、言葉にとらわれる事なく自分達が見たいと思うものに挑戦しています。

 

だからこそ、展示の仕方やコンセプトにはこだわっていきたいのです」と藍子さん。デザインはお二人が、制作は版木を藍子さん、紙を触るところ(仕立、摺り)からは拓真さんが担当されています。デザインや構図についてお尋ねすると「発想の原点は日々の暮らしです」と拓真さん。「作家の作品を日常生活で使っていると、想いというか、見たことないモノを見たいと欲求が高まり、新たな発想が浮かんでくるんです」と藍子さんは話されます。襖の張替えや表具を依頼されるお客様は、ほとんど展示会がきっかけで、その大半が女性だと。野田さんのご自宅で作品を見て、雰囲気を感じてもらい、今までの作品の写真を見ながら打合せです。遠距離でなければ、必ず依頼現場を見てイメージを作られます。今までの住いの雰囲気を、パーッと変えたいって感じのご相談が多いそうです。野田版画工房さんでは、年間5~6回の展示会を開催されます。

 

10/28~11/4の11時~18時、和南町の野田版画工房及び光明寺にて、大西巧さんの手掛け製法で作られる和ろうそくと、襖や屏風の存在感を感じてもらう展示会が開催されます。是非、ご覧下さい。

 

野田版画工房 :050-5802-9585
Email:nodahanga@gmail.com
HP:http://nodahanga.com

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