KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

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【画家】 木下 富男(きのした とみお)

今回は伊庭町( 旧能登川町) にお住まいのよしペン画家、木下富男さんをご紹介します。

子供の頃から絵の勉強などしたこともなく、褒められた記憶もない木下さんが、好きでもなかった絵を描かれるようになったきっかけは、お孫さんの描いた絵がコンクールに入選したことでした。「僕の血をひいているのでは…」と一念発起、60才から地元の公民館で開催されている美術同好会に参加されました。教室で初めて描いた夏野菜の絵が好評で、皆さんから褒められたことに気を良くし、たくさんの作品を描き続けられています。

 

「人に見せる目的でなく、身近な生物、花、野菜、そして富士山を題材に孫に見せるために描いているので、人から褒められるとは思ってもいませんでした」と嬉しそうに話されます。お孫さんに見せたくて紙や段ボールに昆虫や魚を描き続けたり、好きな富士山を毎日描いたりで、作品は貯まる一方です。ある日、近くにお住いのよしペン愛好家と出会い、よしペン画の魅力にひかれて『琵琶湖ヨシペンスケッチ同好会』にも参画。毎月一回、能登川水車資料館にて開催の同好会では、今までの静物画から風景画にも取組まれるようになられました。

 

よしペンの魅力は、何と言ってもその線の面白さ。太くなったり細くなったり、薄くなったりかすれたり。描いているうちに遠近感や立体感を演出してくれます。墨絵のままでもいいし、色を付けてもまたいいし、実に味のある絵が生まれます。そのよしペンは各自が作るのだとか。「ヨシ屋さんから少し分けてもらって作るんですよ。1本のヨシで10本くらいのよしペンができますから、色々なタイプのペンを一度に作れます」と木下さん。ヨシへのこだわりから、ヨシをすいた紙を使うことも最近では多いとか。滋賀の人は琵琶湖が大好きなんですね。木下さんの作品を見ていると、本当に同じ人が描いているのだろうかと感じるのですが…。

 

「良く言われるんですが、自分では何の意識もありません。描く時の気持ちが影響しているのかな。隣の人に影響されやすいんですよね。ポリシーがないわけではないけれど、描くという一心で取組んでいるんだけれど作風が変わるんです」と話されます。『ぶらりまちかど美術館・博物館』での展示会から始まり、安楽寺本堂での個展、地域の金融機関や市庁舎での展示会と多くの人に作品を見てもらえる機会を得て、成長し、飛躍し続けられる木下さん。「たくさんの人に褒められる事が嬉しいですね。新しい出会いも楽しいですし…」と意欲満々です。

 

精力的に行動される木下さん、写真、地域の歴史研究、深夜のブログ(江州日誌)の更新、そして早朝には、原画を模写し着色する仏画と多彩に手掛けられ、お昼は時間が合えばお孫さんと一緒に、よしペンで絵を描くという毎日。「やる事が一杯で、寝てる間がありません」と笑われます。得意でも好きでもなかった絵を描くこと。ちょっとしたきっかけから始め、褒められたら嬉しくなって描き続けられた木下さん。上手な絵はプロに任せて、自分は自分らしく好きに描けば良いと、これからも色々な絵を描き続けられることでしょう。

 

木下さんのブログ 『江州日誌』
WEB:http://blogs.yahoo.co.jp/kazarituke10

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