KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

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【画家】 井上 弘(いのうえ ひろし)

今回は、東近江市伊庭町(旧能登川町)にお住まいの陶芸家、井上弘さんをご紹介します。

能登川、安土、五箇荘、近江八幡の風景や街並みを中心にスケッチを続けておられる井上さんは、自分の生き様や育まれた地域の良さを、少しでも皆さんに発信したいと思って描かれています。幼い頃、テニスざんまいだった井上さん。「当時は、絵心があった様に思われる記憶がないのだけど…。そう言えば、中学の時の先生が描かれた富士山の絵を、友達とずっと眺めていたかなぁ」と話されます。高校に進学されると通信教育でレタリング学ばれました。その後、社会人となってからも、働きながらグラフィックデザインを更に学ばれます。その際、グラフィックデザインの道で働く事を強く勧められたそうですが…、結局、当時は珍しかったポップアート担当の募集があった、急速に店舗展開を進めている流通企業にお勤めになりました。職場では、ポップアートのできる人材育成を中心に、地域に合わせた営業手法を考案する営業企画まで手掛けておられました。出店ラッシュもピークを迎え、三年越しのビックプロジェクトの社内トップに抜擢された井上さん。出店計画の企画・立案はもとより、集客のために出店先の湖北の街をいかにPRするかが大きなテーマでした。奮闘の末、東京での盆梅展やSL列車の復活と十分なPRもでき、後はオープンを待つのみです。この忙しい最中にも、井上さんはペン画を書き続けておられました。その一つが、JスルーカードとなったSL北琵琶湖号の絵です。

 

またこの時期から、朝鮮人街道を題材に水彩画を書き始め、10年後の2001年に、能登川町の愛宕神社で初の個展を開かれました。お仕事も定年を迎えられたその年、自分がプロジェクトリーダーを任された店舗で、井上さんのペン画展を開催してもらえたそうです。感激ですね。そしていよいよ、第二の人生のスタート。奥様との思い出の地である八幡掘を題材に、近江八幡図書館にて個展を開かれ、画家としてのスタートを2006年に切られました。2007年には醒ヶ井水の駅、能登川駅前の道しるべにてペン字と水彩画の作品展を開催しておられます。井上さんの題材は、全て滋賀県内の風景で、特に安土、近江八幡、五個荘、彦根、能登川です。中でも「能登川は山紫水明の地、だから水彩画が似合う街なんです。その四季を感じながら、美しい風景のその瞬間を書く。時間によって風景は随分変るんですよ」と言われます。こうして水彩画で『能登川百景』を描かれました。大変なことだと思うのですが、「50の字を2枚ずつ書けば100になる。少しでも能登川を知りたいと思いながら描くんです」と簡単に言われます。普段見慣れた風景や建物が絵になると、雰囲気が随分変わるんですねぇ。とても素敵な風景に見えます。

 

今回、映画『火天の城』に刺激を受け、安土城郭資料館にある”安土城天守閣”復元模型を題材にペンを走らされました。お城マニアの私は、すぐにそのハガキを買い求めて、大切な宝物して大切にしています。私と同様に、ハガキを通じての感動の出会いがあったそうです。50年振りの同窓会の席で、井上さんの作品展に来てくれていた同級生の人がおられたのです。「本当にビックリしました。失礼ですが、出会っていても顔もわからなかったんで…。同窓会の席でその話が出た時は感激しました」「ハガキを通じての、人との出会いがとても嬉しい」と、作品展の芳名録を手繰りながら話して下さいました。

 

現在、井上さんの手元にはペン画、色鉛筆画、水彩画、パソコンアート、絵手紙、ハガキ絵、大人のぬり絵など膨大な数の作品があります。「これらをハガキにすれば、皆さんに見てもらえる」と思い、ハガキとして県内13ヶ所で販売してもらっておられます。一度、ご覧になれば「欲しい」と思われますよ。

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