KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
芸術・文化・伝統・風土を育む

【版画家】 福田 ヒロコ(ふくだ ひろこ)

今回は東近江市平柳町(旧湖東町)のヘムスロイド村に工房を構え、スクリーンプリントという技法で版画の創作活動を続けられる福田ヒロコさんをご紹介します。

会社では商品開発を手掛ける福田さん。ヘムスロイド村では兼業作家は珍しいのですが、忙しい合間に時間を作って、今も工房で創作活動されています。

 

大好きな鉄棒に夢中だった小学生の頃、「モノをしっかり見て描きなさい」と小学校の美術教育には珍しいデッサンの授業を受けた時から、実物を描くことに熱中し、美術が一気に好きになられたそうです。高校から芸術大学に進まれる時にも、芸術大学で工業デザインを専攻しているお姉さんの友人の影響もあって、グラフィックデザインを目指し入学されますが…、意に反して版画の専攻となりました。

 

しかし、いざ版画に取組んでみると、版画の面白さに魅せられてしまわれました。そして卒業後も休日を利用して、大学へ出向いて版画の創作活動を続けておられたのですが、仕事を優先することで制作活動を中断されます。

 

仕事は環境貢献や地域特性を活かした文具(紙製品)の企画・開発・デザインをされていますから、福田さんの学んだ事を活かせる、やりがいのある職場です。しかし時折、様々な制限の中で自分の全エネルギーを出して表現したいとの衝動に駆られる事もあるとか。そうして自分の制作スペースを持ちたいと考え始めた頃、縁があって、2013年に念願の創作活動拠点がヘムスロイド村に誕生しました。

 

人のためだけでなく、自分のためのモノづくりが始まりますね。

 

「人の生活にとけ込むクラフト、作家の表現の追求というアート。クラフトとアートの間で人に求められるモノ、人に刺激を与えられるモノを作りたいんです」と福田さん。

 

版画の魅力についてお尋ねすると「版画は始めに色や使用する版数や順番を計画し目標(仕上がり)を設定し「刷り」に入ります。版を一つ一つ納得しながら作る工程は、じれったいけれど目標に近づくワクワク感があり、また、版の重なりによってインクの刷り上がりの色は異なるので、スキージで刷った後に色が綺麗にのった喜びはひとしおです」と話されます。一年間多種多様に、積極的に創作活動をされてきましたが、大学の卒業制作で手掛けた“版画掛け軸”を思い起こし、更にグラフィックの要素を取入れた作品づくりを目指され、新たな掛軸に表現中だそうです。

 

「グラフィックデザインに近いかな。学生の頃に夢見ていた形とは違うけど、自分にしか作れないモノ、ずっと考えていた事に本当の意味で近い仕事になりました」と笑われます。どんな掛軸が出来るのでしょうね。楽しみです。

 

福田さんの工房は、東近江市平柳町568にあるヘムスロイド村の中にあります。日曜日には工房で創作活動をされていますから、是非一度、訪問して下さい。

Contact

お問合せ

■ 法人のお客様はこちら

0120-072-834

月〜金 9:00-18:00 定休:土日祝

■ 個人のお客様はこちら

0120-15-4939

9:00-18:00