KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
芸術・文化・伝統・風土を育む

【洋画家】山本 麻衣子(やまもと まいこ)

 今回は草津市野村町のアトリエにて活動をされている、洋画家の山本麻衣子さんをご紹介します。山本さんが通われた小学校は、国内で最も伝統ある子ども美術展、全国教育美術展に毎年作品を出展され、作品が毎年入選する全国でも有名な図画工作に力を入れている学校でした。校内では各学年で年3回展覧会が開催され、毎週火曜日は生徒同士がモデルになる「スケッチの日」があります。ある日TV番組収録のために、池田満寿夫画伯の授業を受ける機会があり「こんなに自由に描いていいんだ」と感激して、絵を描く仕事に興味を持たれたそうです。しかし絵は好きでも好奇心旺盛な山本さんは、家の周りの田んぼや藪を冒険し、虫と戯れ自然を満喫する毎日でした。

中学校ではテニス部、高校では好きな野球の場内アナウンスをしていた山本さん。「興味のあることには積極的に挑戦するタイプです。でも美術はずっと頑張ってましたよ」と笑われます。美大を目指すのならと、高校に入学すると習い始められたデッサンも、目の前のモノを少し上手く描けるようになる楽しみを見つけて、一生懸命取り組れます。
美術大学に入学後は油絵を専攻され、学びながらも時間とバイト代がたまったら、フラッと海外へ冒険に出かけられました。旅先で10か国以上の人と一緒に旅をしたり、国内でも国際交流キャンプに参加され、留学生の人としばらく一緒に暮らされたりと、知らない風景や見知らぬ文化の刺激を楽しまれまし た。まさに感性を磨く体験です ね。「学生生活は制作と旅の繰 返しでした。その体験が今の創 作活動の大きな力となっていま す。花や木立や水辺の姿を借り て、その時々の心境や感じたこ とを素直に表現するように心が けています」と話されます。具 象画の様な抽象画の山本さんの 作品は、日々の暮らしの中の冒 険からの感動や記憶と感触を、 私達に伝えたいと描かれている 様に感じます。
毎年、京都のギャラリーで個展を開催されている山本さん。個展に向けて毎年30点ほど精力的に描かれていますが、一緒に作品についての心境をメッセージとして添えられます。「個展の度に必ず、その時感じた、考えていた、思ったことを文章にして載せています。ですから絵を見てどう感じるか、どんなイメージを受取られるかは皆さんの自由。どう見えるかに、こだわりは全くないんですよ」と話されます。創作活動の原点となる冒険を続けられてきた山本さんですが、その間にはたくさんの出会いがあったと振返られます。「駅のギャラリーで学生時代に初めて開いた個展で、励ましのメッセージを頂いた人が、その後初めて絵を買って頂けるお客様になって下さったんです。大切にしていたメッセージだっただけに、感激で心が震えました。その時、もっと成長して良い作品を作れる作家になると決意したんです」と力強く話されました。ずっと見守ってくれている人って、どこかに必ずおられるんですね。「その方との出会いがなければ、その後の私の作品も多くの方との出会いもなかったと思います」と振り返られます。滋賀県美術協会展への毎年の出品は「たくさんの作品の中で、自分の絵を客観的に、冷静に自分の絵を見れる数少ない機会だと思っています。また、沢山の方の作品から多くのことを学ばせていただいています。自分の世界だけでは見えない、新たな発見もありますしね」と話されます。今後の活動についてお聞きすると「教育の場でも美術の関わりが薄くなり、美術と生徒さんと距離が大きくなっている様に感じています。芸術や文化は人の心を豊かにするものですから、多くの方にもっと興味を持って接してもらえる機会を作ることができたらいいなと思っています」と話されました。作家として、また身近な女性として、大切なモノを大切に、そしてシンプルに伝える表現者であり続けて欲しいですね。最後に、山本麻衣子さんの個展のご案内をします。2021年8月20日〜8月29日(月曜休み)に、ギャラリーモーニング(京都市営地下鉄蹴上駅、東山駅より徒歩5分)にて開催されます。皆さま是非、お越し下さい。

Contact

お問合せ

■ 法人のお客様はこちら

0120-072-834

月〜金 9:00-18:00 定休:土日祝

■ 個人のお客様はこちら

0120-15-4939

9:00-18:00