KIRARI MACHINOHITO

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【染色デザイナー】 野田 浩二(のだ こうじ)

今回は東近江市相谷町で、風野工房ギャラリー・燕来庵(えんらいあん)を主宰される染色デザイナー、野田浩二さんをご紹介します。

美術大学で版画を学ばれた野田さんは、サラリーマンとして社会人生活を送るのではなく、ものづくりの仕事がしたいと、染色職人見習いとして働くことを選ばれました。 着物のデザインを考案し、染付までをする作業に4年間従事されますが、会社の倒産を機に、幅広い染色の仕事がしたいと作家を志されます。工業試験場の染色講座に半年間学び、後は独学で染色の学びを深められました。呉服の様な伝統工芸ではなく、アートを目指したいと、生活と芸術を一致させ日用品の中に美(用の美)を見出そうとする、アーツ・アンド・クラフツ運動の気風に魅かれていかれます。

 

創作活動を模索する中、京都クラフトセンターという協同組合の加盟を機に、たくさんのクラフトマンとの交流が始まりました。「ここでの色々な人との出会いは、私にとって刺激的でした。創作活動の視野が広まり、ものづくりだけでなく、売れる作品作りやビジネスの勉強も出来ました。

 

何よりも、展示会開催の方法や仕事を依頼してもらったりしたことはありがたかったですね」と野田さん。京都を離れ、永源寺に移り住んで21年。『鮮度と手仕事』にこだわられ、他にはない個性と手仕事の創作を追求される野田さんの作品は、デザインとコンセプトは同じでも、手仕事だから二つと同じものはないそうです。

 

日常生活が創作活動の場ですから、住いのインテリアや暮らしの日用品はクラフトマンの作品ばかり。「デザインは頭で考えるモノではないんです。生活していて、ささいなちょっとした事でも、新しさを感じるモノがあるんです。

 

頭で考えているだけでは、そんな変化に出会えないんですよ」と話されます。日々の暮らしを興味を持って見渡していると、新しい発見ってありますよね。それを形にしてみると…、創作活動につながるんですね。アトリエ兼お住いの古民家も、障子の貼り方、襖のデザイン、家具とそのレイアウトなど、どこにでもある同じものだけれど、随分個性的で違ったものに映りますね。「伝統工芸が売れないのは鮮度がないということです。

 

それは古いからとか、新しいからではありません。新しい使い方を提案したり、デザインや色使いで表現を変えると「ハッ」とするでしょ。それが私の言う『鮮度』なんです」と野田さんは話されます。

 

なるほど、『鮮度』ね。日常生活で『鮮度』を見つけ、手仕事だからこそ輝く、心を豊かにさせる作品作りが、野田さんの真骨頂ですね。風野工房ギャラリーでは、年間数回企画展が開催されます。先日も、春爛漫?五月の工房展 〈Artなのれん?風が見える布〉が開催されました。是非一度、風野工房ギャラリー・燕来庵(えんらいあん)にお運び下さい。

 

風野工房ギャラリー 〒527-0211滋賀県東近江市永源寺相谷町347
tel/fax 0748-27-2049 e-mail kazenokobo@e-omi.ne.jp
http://www.t-craft.com/enraian/

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