KIRARI MACHINOHITO

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【木工・彫刻家】 小林 朗(こばやし あきら)

今回は東近江市山上町で注文家具工房を営んでおられる、木工作家の小林朗さんをご紹介します。

建築を学ばれ設計の仕事に就かれた小林さんでしたが、不運にも勤め先が倒産。これをきっかけに「何かモノづくりの仕事がしたい」と自転車で日本縦断の旅へ出られました。墨作りやガラス工芸など、旅先で気になる仕事があれば体験したり、印象深い人にはスケッチブックに思い思いの事を書込んでもらったりと、2年間のこころ旅でした。「最初から最後までできるモノ」「生活に根ざした身近なモノ」「日本人の大切にしているモノ」、小林さんは木工で家具を造る決意をされました。京都の木工所で8年間修行され、その間に工房となる住いを探し回られた結果、永源寺に移り住んで21年になります。

 

「インターも近くて移動も便利だし、すぐ奥は鈴鹿の山で用の無い人は来ないし、知り合いの作家さんもいたのでここに決めました」と話されます。こころ旅で出会った、印象深い陶芸家さんがこの近くに住んでおられるんです。小林さんのこだわりは「シンプル」「木の温かみを無くす」「仕上げ過ぎない」ということだとか。どうして木の温かみを無くすのかとお聞きすると「木の温かみを意識して前面に出すとエグくなるんです。

 

厚い板を削るのは切ないんだけど、木の味わいを殺すくらいにすると、ちょうど良い感じが出るんです。見える形の調和と見えない心の調和、バランスなんですよ。扱い易さも大事ですしね」と話されます。使われる材料は、和洋どちらにも合うナラやタモ。

 

最近はクルミや杉も使っておられるそうです。「オイル仕上げが使い込んでいくと木の特性を出し、体に触れるところのツヤや傷が、とてもなじんで何とも言えない仕上げになるんです。ですから少し物足りない仕上げで止めて、後は家族で使って仕上げてもらいます」と楽しそうに話されます。

 

販売は滋賀や京都、関西を中心とした都市で開催する展示会とクラフトフェア、パンフレットやネットからの商談もあるそうです。かつて展示会に出す作品は、材料を見て発想する時も、一般受けするモノを意識して造られていましたが、今は誰が、どう使うかを物語としてイメージし、デザインや制作に取掛られます。そうして造ると様々なタイプの違う人達が共感され、今まで以上に売れるようになっているとか。依頼されるお客様には直接面談し、服装や持ち物を観察しながら雑談を交えて、その人の欲しいモノをヒアリングされます。

 

この段階でデザインが出来ると言われますから、ビックリしてしまいますね。制作では自分の我を出さない様に、その人が幸せな気分になってもらえる様に気を付けられます。これもバランスですね。

 

しかし、お客様とのアンバランスが勉強になることもある様で「お客様の意見を大切にして、自分としては半信半疑で造ったら、いいものが出来たりするんですよ。たまにですがね」と笑われます。「相談された仕事は断らない」をポリシーに、目立たない家具、雰囲気を出す家具、家族の幸せと温もりを実感し道具としての家具を造り続けられることでしょう。是非一度、小林さんの工房『AKIRAWOOD WORK』を訪問してみて下さい。あなたの幸せ、見つけられるかもしれません。

 

AKIRA WOOD WORK
〒527-0231 滋賀県東近江市山上町3720-2
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