KIRARI MACHINOHITO

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【絵本作家】 くせ さなえ

今回は近江八幡市の絵本作家、くせ さなえさんをご紹介します。 

もの心が付いた時から絵が好きで、外遊びから帰ると少女漫画を写したり、想像の絵を描いたりの毎日だったと話されるくせさん。本を読んで物語を絵に描く授業を受けて以来、本を読んでそれを絵にすることが大好きになられました。小学校の卒業文集では「絵本作家になる」と書かれ、その頃から将来を決められるなんて…、すごいですね。高校生になっても「大学に行って勉強するなら絵しかない」と、2年生から美大受験のための塾へ通われました。大学に進学後は、絵本コースを選択され学ばれました。卒業を前に、絵を描ける仕事はないかと就職活動をされ、テキスタイルデザイン会社へ就職されます。「今まで親にお世話になったので、働いて安心してもらいたかった」と話されますが「5年間経ってあきらめきれなかったら挑戦する」と心に決められていたと笑われます。

 

5年半で一旦退社され、アルバイトの立場となって絵本作家を目指されます。インターナショナルアカデミー絵本教室を経て、いよいよ実家で創作活動開始です。翌年、第28回講談社絵本新人賞にて佳作を受賞。4年後の2010年には近江八幡の日常の風景を描いた『ぼくとおおはしくん』が第32回講談社絵本新人賞を受賞され、絵本作家『くせ さなえ』としてデビュー。翌年に絵本『ぼくとおおはしくん』が講談社から出版されました。「賞を受賞すると記念の展覧会が開けるんです。そこでたくさんの編集者や出版社に出会うんで、手紙を書いたり、出向いたり売込み活動ができる様になるんですよ」と話されます。そして翌年、編集者からエッセイストが書いたお話に絵を描いて欲しいと、くせさんに依頼が来ました。自分の描いた話でないため、直接エッセイストに会いお話を聞いたり、お話に出てくる場所へ行ったり、描かれている子供達にも出会ったりして、ようやく『あかいボールをさがしています』の絵本が仕上がりました。くせさんの作られる絵本のテーマは、日常生活の中で感じた身近な事が多く、子供の遊ぶ姿や自分の子供の頃の思い出、このあたりの風景などです。2013年に出版された絵本『ゆびたこ』は、とっても親近感を感じる作品に仕上がっています。ある日、家族を描いていたら、おいごさんのことを思い出されたそうです。「聴覚障害者のおいごがいるので、手話に興味があったんです。おいのことを絵本にして、分かりやすく楽しめる手話の本ができないか、と考え始めていたんです」と、くせさんは話されます。そして偶然にも、編集者から手話の絵本の依頼がきたのです。『しゅわしゅわ村のどうぶつたち』と『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』は、手話の本としてだけでなく、絵本としても十分楽しめる本として完成、出版されました。現在はその三作目として『しゅわしゅわ村のだじゃれ大会』という絵本を創作中だそうです。

 

今後の活動についてお聞きすると「手話やだじゃれをテーマに絵本を描きたいですね」とくせさん。近直、親しく交流されている絵本作家さんと『二人展』を近江八幡にて企画中とも。来年には、大津で個展も計画中とお聞きしました。絵本作家としてこれからも大きく羽ばたかれることでしょうね。

 

『ぼくとおおはしくん』 講談社
『あかいボールさがしています』 小学館
『ゆびたこ』  ポプラ社
『しゅわしゅわ村のどうぶつたち』 偕成社
『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』 偕成社

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