KIRARI MACHINOHITO

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【アイアンクラフト】 茗荷 恭介(みょうが きょうすけ)

今回は彦根市長曾根町に工房を構えておられる、鉄の彫刻家、茗荷恭介さんをご紹介します。 

35歳頃まで東京を拠点に活動していた茗荷さんが、高島市の「ガリバー青少年旅行村」プロジェクトに携わるようになって、東京から滋賀県に数年間通われました。仕事を通して行政や地域の人達と交流が始って、滋賀への移住の話が持ち上がり、工房となる物件を何件も紹介されたそうです。その時に紹介された物件が、琵琶湖畔に建つ築100年程の醤油蔵だった今の工房です。

 

「ここしかないというロケーションで、蔵がモノづくりの知恵や喜びを語りかけてくる様な、自分を世界へ発信していくことを教えてくれる…そんなインスピレーションがわきました」と話されます。滋賀に移って今年で26年。

 

今ではガリバー青少年旅行村のほか、近江八幡市の近江兄弟社学園や県内各地で、茗荷さんの作品に出合うことができます。

 

茗荷さんの作品は鉄を使った、モニュメント、テーブル、イス、照明器具など多岐にわたり、「強く」「やさしく」「飾り気がない」という感じの作風です。学生時代から鉄の彫刻を学ばれ、創作活動を続けられましたが、鉄だけでは飽き足らず、木、和紙など色々な素材を鉄と組合わせる様になりました。「異なった素材を組合せることを楽しんでいます。廃材など見た目はボロでも、中身がしっかりしていれば優れた素材ですから、ひびや穴に鉄を組合わせたり、使い勝手を考えて活用するとマイナス部分がプラスに転じ、予想外の味を引き出すことが出来るんです。1+1が3にも4にもなる、この醍醐味がたまらんのです」と茗荷さん。近江兄弟社学園の校舎や施設の廃材を使った取組みも、その一つ。解体で出来た廃材を再利用して、学校のテーブル、ベンチ、室名札、レリーフ、モニュメントを作られています。「子供達の反応が直接感じられるし、古い物を大切にしたり活用したりする心を、作品を通して教育として学んでくれています。また、ヴォーリズゆかりの物を学園中に少しでも多く作品として残し、創業者のアイデンティティーを伝える、とてもやりがいがある仕事です」と笑われます。この様に作家活動に留まらず、四半世紀にわたる学校整備事業に携わったり、地域再生事業に関わったりと茗荷さんの活躍の場は広がり続けています。「今は見直される時代。新しいものを建てるのは簡単だけど、古い物を活かす、物を再利用して人を集める知恵と視点が大切なんです。勿論、高い志と努力と労力が必要ですがね」と熱く語られます。

 

現在、作家として充実した活動を続けている茗荷さんですが、自分の未知の可能性に挑戦したいと考えておられます。3月に開かれた『子供の時間』という個展もその一環。

 

「昔から彫刻は一流、工芸は二流と言われてまして、知らず知らずに自分の創作から離れてしまったんですが…。今、銅人形をやらないと後悔すると強く思い、昨年今年と取組んでいます」と話されます。見た事のない景色を見たい、行った事のない所へ行きたいって感じですかね。

 

湖岸道路沿いにある醤油蔵のアトリエ、そこにある作品、そして茗荷さん。あるがままに、続けていくことを追求されてきた価値観と時間を満喫できる、不思議な体験をしてみませんか。

 

(工房)
滋賀県彦根市長曽根町7-7
TEL&FAX 0749-26-1060
http;//www.geocities.jp/studiolibra/

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