KIRARI MACHINOHITO

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【彫刻家】 若林 亮(わかばやし りょう)

今回は東近江市垣見町(旧能登川町)にある共同アトリエ『Soil』で、創作活動をされています彫刻家の若林亮さんをご紹介します。
子供の頃から機械を壊したり組立てたり、古いモノを直したり、ともかくメカニックなものが好きだった若林さん。さほど芸術に興味があったわけでもなかったのですが、美術大学に通っていたお姉さんの影響もあって、芸術系の大学に進学されました。

卒業すれば企業に就職して、サラリーマンにでもなるだろうと考えていたのですが、4回生の時に鉄と出会い、立体造形にのめり込んでいかれました。「身近な素材を色々と触っていると、手触りや錆の匂いなど、もともと鉄が好きなことに改めて気づいたんです。正規規格の鋼材もひねったり、曲げたりと形を変えると見え方が違ってくるんです」と話されます。

 

2009年に開催された大地の芸術祭、新潟妻有トリエンナーレに初めて出展されます。「各地で開催されている前衛的な芸術祭のはしりで、大学と提携していたこともあって出展しました。大地の躍動感、炎に包まれた鉄の表情、土の中でなすがままに冷え固まる、再生された鉄の塊を表現したいと創ったものでした」と若林さん。2013年には香川県の島で開催された、瀬戸内国際芸術祭に出展。島内に放置されている農機具や建材、解体されたサイロなどの鉄を集めて、その年に廃線になった定期フェリーをイメージして、大きな鉄の作品を制作されました。以降2017年、韓国で開催されたアーティスト イン レジデンス。京都で開催された、新鋭選抜展2018など精力的に活動されています。

 

溶かす、切る、曲げる、つなげる、磨く、若林さんは人間と関わりの深い鉄と対話しながら創作活動を続けられます。「空気に触れると酸化して錆びる。錆は血の臭いにちょっと似てますし、人も酸化して老いる。鉄と人を同じように感じて、親近感を持って接しています」と話されます。曲げた鉄を重ねて、ボルトでつないだこの作品は、人の心を表しているそうです。

 

鉄を加工する時は、色々な人が使った形や記憶が一つになる、との思いになるとか。親近感のある鉄だからこそ、若林さんの創作意欲を熱くかきたてるのでしょうね。最後にこれからの活動についてお聞きすると「思い出を記憶して、新たな蘇りとして残すことですかね。錆を落として磨くことは再生を、塗料をはがすのは解放をイメージしています。放置されたもののパフォーマンスを上げて、展示できる作品として形に残す。これが私の役割のように感じています」と笑われます。これからのご活躍を楽しみにしています。

 

共同アトリエ『Soil』
〒521-1221 東近江市垣見町721-6
(JR能登川駅東口徒歩2分)
H.P
https://shareateliersoil.wixsite.com/soil

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