ふるさとに
芸術・文化・伝統・風土を育む
田中さんは参加された体験談を聞き、是非とも支店長にも参加して欲しいと誘われました。「最初は嫌々でしたが、便器やタイルを磨いて掃除が終わると、何とも清々しい気持ちになって心が晴々したんですよ。誘ってくれた女性社員の気持ちに共感し、私も誰かにこの気持ちを伝えたいと思いました」とその時の感想を話されます。営業という仕事柄どんな会合でも参加される田中さん「たいていは利害関係で嫌な思いをしても仕方ないと参加するのですが『掃除に学ぶ会』では普段着に長靴のスタイルですから、仕事などの上下の関係もなく、ひたすら目の前の便器の汚れと向き合い、教えてもらいながら時間内にピカピカにすることだけに集中します。ですから、周りを気にする余裕なんてありません」と笑われます。その後1ヶ月に1回の『掃除に学ぶ会』に参加されるうちに、田中さんの営業スタイルが変わっていきます。睡眠時間を短縮せず、仕事を終え帰宅する時間を決め、無理なく朝活に参加できる様に早寝早起きになりました。「朝活から逆算すると営業時間が決まってくるので、仕事に集中して効率が上がる営業をするようになったんです。会で学んだ準備の習慣も大きな収穫でしたね」と話されます。自社の職場の環境も大きく変わり、整理・整頓・清潔が自然に進むようになった様です。凡事徹底の習慣化ですね。
『掃除に学ぶ会』の世話人として会を運営される様になられてからは、心の支えとなる仲間の存在、励みとなる多くの出会いに恵まれたと振返られます。特にホストであった今年の『日本を美しくする会』関西大会の運営では、3月のキックオフ会議からコロナ禍で喧々諤々の協議の連続と、行政のコロナ感染症対策に一喜一憂する日々が続きました。「緊急事態宣言が発令されたらと9月末まで気を揉んでましたが、滋賀のメンバーが一丸となって頑張ってもらえたお陰で、規模は縮小しましたが全国で唯一の大会を続けて開催出来ました」と田中さんは嬉しそうに話されました。定年を迎えられた今、仕事中心での交流が少なくなってきているようですが、『掃除に学ぶ会』などの志を持って活動している人達の集まりに行くと「自分に出来る事を一生懸命しよう」とプラス思考になれたり、魅力的な人との新たな出会いが生まれます。「トイレ掃除をする高校生の運動部が好成績を収めたり、トイレ掃除で会社の収益が良くなったりと聞きますが、それよりも誰の仕事でもない仕事を、私の仕事と引き受けてくれる人が多い組織が社会を良くしてくれるのではないでしょうか。先生が教えない事を部活動や職場で学べる、それが『掃除に学ぶ会』なんです」と話されます。『掃除に学ぶ会』で彦根市内中心に滋賀県下の自治体施設のトイレをピカピカにして、気持ち良い街にしていきたいと、田中さんは笑いながら未来を語られました。月1回の『掃除に学ぶ会』に皆さんも参加してみませんか。百聞は一見に如かず、たくさんの皆さんのご参加をお待ちしています。