KIRARI MACHINOHITO

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【人形師】 東之湖 さん(布施 和信 さん)

今回は東近江市五個荘竜田町に工房を構えておられる、人形師の東之湖さんをご紹介します。 

人形師のお父さんの仕事場が、東之湖さんの子供の頃の遊び場でした。ですから、人形や人形作りにも親しまれてこられ、厳しい修行を経て雛人形を専門に作る『雛匠(ひなしょう)』となられました。

 

雛匠となるためには伝統的な人形師の技の取得はもちろん、平安時代の装束衣装の色合いや着方も勉強され、雅な時代の雛人形づくりに挑戦されました。現在、大量生産が主流の雛人形が多い中、東之湖さんの人形は胴体、顔づくり、飾りとすべて手作り。西陣織や近江上布を使う衣装の選定から裁断・縫製と、本物を伝えて行きたいという、東之湖さんのこだわりです。「麻は糸が太く柔らかさを出すことが難しいけど、ひねり技法で優しい表情を出せる様に工夫しています」と話されます。

 

いつまでも綺麗、手入れがいらない、安いなどの理由で伝統工芸品や天然素材などの本物離れが進んでいますが、本物の良さも分からない人達も増えている昨今ですが…。「本物は、めんどくさいし大変なんです。
本物っていう言葉は知ってるし、頭では分かっているけど、簡単にすることや、楽することばかり考えるんで、本当の事は知らないんですよ。だから、本物の良さを知ってもらうためにも、モノを作ることの大変さや耐える力を学んで欲しいと思っています」と熱が入ります。

 

ブランドばかりに目をひかれる私も、勉強しなければなりませんね。ぷらざ三方よしに飾られている『清湖雛(せいこびな)』は、10年前から作り始められた立雛です。
「聖水の舞をイメージし、青の衣装をまとった女雛を作った時に、女雛に親しんでもらえる様に名前を公募したんです。清湖雛はそうして生まれた名前なんですよ」と東之湖さん。物作りへの理解は、楽しんでもらうことから始まるんですよね。

 

そして2年後に男雛を制作。その後は、野山をイメージした緑の衣装の『六人官女』、桜をイメージした淡い桜色の『十人囃子』、琵琶湖を囲む四体の守り神、そして純白の十二単をまとった『無垢の女神』と、次々と精力的に新作を作り続けておられます。

 

雛匠・東之湖さんの雛人形は、オーダーメイドのオリジナルで、お客様の要望はすべて聞くと言われます。
それをプロの技と目で、バランスをとりながら仕上げらるのです。「一番難しいのはバランスなんです。人形本体のバランス、立雛作りも3年くらい試行錯誤しました。

 

そして全体のバランス、顔、衣装もですが、少しの角度が違うだけで雰囲気が一変するんです」と言われるだけあって、数々の作品は見る人を魅了します。
子供や孫の幸せを願って買われる雛人形を、雛匠として大切に作り上げておられるんですね。
心で表現し、心で楽しんでもらう、作り手の心使いが伝わってきます。是非一度、東之湖さんの工房を覗いてみて下さい。

 

人形の布施/雛匠 東之湖   TEL:0748-48-6288
〒529-1421 滋賀県東近江市五個荘竜田町661-3 《国道8号線沿い》

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