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【人形・工芸家】 小泉 久夫・英子(こいずみ ひさお・えいこ)

今回は東近江市建部下野町(旧八日市市)にお住まいの、小泉久夫さんと英子さんのご夫婦をご紹介します。
建設会社で長年働き、趣味らしいものは何もなかった小泉さんは、60才を前に定年後の趣味づくりを奥さんに進められました。ある日、近くで開催される水墨画教室に入り、13年たった今では水墨画に留まらず仏画、衣料や生地の絵付け、人形作りから竹細工まで、多種多様なものを手掛けられる芸術家になられました。今回はその一部、人形作家活動についてご紹介します。水墨画を初めて4年目に、大手術をされた久夫さん。

1年間の療養生活時にTVで見た仏画に、不思議な感銘を受けられたそうです。その時から仏画を描くために、本を読んだり、画家のホームページを見たり、画家にメールで技術の問い合わせをしたり、描いた作品を画家のもとに送り総評してもらったりと、独学で創作活動を始められました。「療養中だったから仏画にじっくり取組むことができたんですよ。しかし、肝心なことは教えてもらえないので、結局自分が考えて試行錯誤で9年経ちました」と久夫さんは話されます。今は、満足のいく仏画を描き続けている小泉さんは、近隣のいくつかのお寺に絵画を寄進されています。「絵を描くときの息抜き」と言われる人形作りは、英子さんが猿ぼぼの吊人形を作りたいと言われたことがきっかけだとか。最初は小さい人形を装飾品と一緒に、糸や針金に取り付けた吊人形を作っておられました。しかし作り始めると、だんだん大きな人形、生活感と動きのある人形へと変遷し、今では10mに及ぶものや電気が灯って回るという大作ができています。制作には図面があるわけではなく、久夫さんが描かれた簡単なスケッチをもとに、着物などの衣類は英子さん、それ以外は久夫さんと、人形作りはご夫婦の分担作業で仕上がります。

 

まさに、ご夫婦の阿吽の呼吸ですね。「着物は知人の古着をもらい、人形に合う柄や模様を考えて着せるんです。そうするとくれた人も喜んでくれるんですよ」と英子さんは笑われます。五個荘で開催される『ぶらりまちかど美術館・博物館』に今年で8年間出展され、凧揚げ風景の作品を是非とも譲って欲しいと熱望されて、永久貸与ということで貸出しておられるとか。「商売じゃないから値段がつけられないし…。修理道具を持って人形に会いに、そのお店に1年に1回会いに行ってるんよ。行くと「元気にしてるか」と話しかけたり会話してきます。勿論、人形を手入れして帰ってきます」と話されます。「展示してくれる所なら、どこでも行きますよ」と久夫さん。自分達の人形が飾られる時には、毎日立ち寄ってお客様の反応や評価の声を聴かれるそうです。

 

「人によって色々と見方や評価が違うからね。その時にどうしても気になる言葉があると、その時に直に聞いてみるんです。何よりも、皆さんが喜んで見てくれている姿を見るのが、何よりも嬉しいんです」と満面の笑顔で話されます。現在は、正月向けの獅子舞の風景を制作中。「お蔭様で、今日は何しょと思った事はなく、あれしょ、これしょと毎日する事があるんよ」と久夫さん。

 

仕事にボランティアにと奔走される英子さん。ご自宅で仏画をはじめ多種な創作活動に励まれる久夫さん。「私が動で、主人が静。お互いに合うのが人形作りなんですよ」と英子さんは話されます。いつまでもご夫婦仲良く、芸術活動に励んで下さいね。

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