KIRARI MACHINOHITO

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【ヒンメリ作家】中川 きよの(なかがわ きよの)

今回は蒲生郡日野町内池にお住まいの、ヒンメリ作家の中川きよのさんをご紹介します。

 

京友禅工房で色付けをする彩色師として弟子入り。その後、デザイン事務所でグラフィックデザイナーとして勤され、着物つながりの仕事やJR京都駅ビル 伊勢丹オープンにデザイナーとして携われました。

 

日野に住まいを構え、子育てが一段落した2年前、東近江市湖東地区で毎年開催される『ヘムスロイドの杜まつり』で出会われたのがヒンメリでした。ヒンメリ(himmeli)とは1150年頃から始まったフィンランド伝統の飾りで、乾燥したライ麦わらを糸でつないで作るモビールです。長い冬を越える北欧の人々にとってヒンメリは、太陽とのつながりを感じられる光のモビール、豊穣のシンボルであるライ麦わらでつくる幸運のモビールとして親しまれています。

 

「ヒンメリ作家さんが作品展示とワークショップをされていましので、早速ワークショップに参加しました。麻の茎でヒンメリを作ることに挑戦しましが、麻の茎が堅かったので、ノコギリの切断作業で苦戦した思い出があります」と笑われます。爽やかな5月の風らに揺られて、ゆっくりと回転する黄金色の麦の穂は、とても神秘的で一瞬で魅せられたそうです。

 

フィンランドの人気ヒンメリ作家のエイヤ・コスキさんの本を見ながら、ご近所の農家から分けてもらう大麦を材料として、中川さんはヒンメリづくりを始められました。

 

「ライ麦を植えて栽培したこともあるのですが、茎が柔らかすぎて上手く作れませんでした。そこでご近所さんから大麦を調達して、自宅でしばらく乾燥させて材料として使ってるんですよ。今年は雨が多かったので、麦の作柄が心配です」と話されます。グラフィックデザイナーの経験を活かし、ご自分でデザインのデッサンを描き、独学で制作に励まれます。3~4か月ほど制作にかかると言われますが、中には1年がかりの大作もあるとか。「夫婦喧嘩をしてむしゃくしゃしていると制作に手間どりますが、麦わらに糸を丁寧に通し制作していると、穏やかな気持ちになって、日常も忘れて落ち着くんですよ」と笑われます。

 

日野町の公民館でのワークショップや、学童保育のボランティアでの教室も開催され、ヒンメリの普及に積極的に取組んでおられる中川さんですが「子供達に紙ストローと糸でヒンメリ作りを教えていますが、糸を結べない子供が多いんです」と不安げに話されます。

 

中川さんの作品展は毎回テーマを決めて開催されます。
『ギャラリーつつむ』(蒲生郡日野町大字村井 1284番地)では『風音』、今回の『瓦ミュージアム』(近江八幡市多賀町738ー2)では『祈り』と、会場と自らのインスピレーションにてテーマが決まります。『祈り』の会場では、寝そべってまどろむ人や歌を歌われる人が現れたそうです。今回体験を活かして、作品展だけにとどまらず、映像や光を活用して空間プロデュースする演出の展示会にしたいと意欲を語られます。黄金色に輝く神秘的なヒンメリの世界、是非とも体験して下さい。

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