KIRARI MACHINOHITO

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【クラフト作家】 合田 大智(ごうだ だいち)

今回は東近江市垣見町(旧能登川町)にある共同アトリエ『Soil』で創作活動をされています、クラフト作家の合田大智さんをご紹介します。
生まれ育ちが東京の合田さん。子供の頃からモノづくりが好きで、工作の時間などに自分が作ったものを人に喜んで貰える事が、嬉しかった思い出の1つだそうです。大学では建築を学び、卒業後はスピーカー関連の仕事に就かれましたが「東京には物が沢山あり、これ以上自分が何かを作る必要がないのではないか」と、別の暮らし方を試すために栃木に移住。養鶏所で働きながら、少しずつ養蜂も始め、地域イベントのボランティアスタッフなども行います。暮らしや生き方を作る場所と出会い、自分自身の価値観が大きく変わって行ったそうです。

「栃木での暮らしはすべてが新鮮でした。今まで生き物を飼ったことのなかった自分が、養鶏や養蜂を通じて生き物に関わる時間、生活のすぐ横で野生の動物がいることなどで、生き物の美しさや愛らしさなどを実感していきました。そのくらいのタイミングで、ちょうど狩猟を勧められ、知り合った猟師の家へ遊びに行って雪山へ同行したんです。雪山を獣を追って歩く猟師のスピードに合わせて歩くのはとても大変で、苦しかったですが、それよりも雪山の美しさのほうが印象に残っていて、自分でも体験したいと狩猟免許を取る事にしました。」と語られていました。
同じ頃、木と真鍮を組み合わせた看板を町で目にし、心を惹かれます。『自分でも作ってみたい。』と感じて試作を始めて繰り返しているうちに、知人から看板作りの依頼の話が来ました。
自分の作ったもので、本当に喜んで貰えるのだろうか?緊張しながら制作に打込み、出来上がった看板を見て喜んで下さっている依頼者の方の顔を見て、幼い頃、自分の作った工作の作品で人が喜んでいた事、モノづくりが好きだった事、人のために何かを作るのが楽しかった事を思い出し、モノづくりへの興味が再燃したそうです。
その後、震災や結婚など、人生の転機を幾つか経て、狩猟・養蜂・モノづくりを自分の仕事の柱として活動出来る場所を求めて、滋賀へ移住。自然の豊かな滋賀県で、その3つの活動を行う環境が揃い、初めて鹿を獲る事で、野生の生き物の美しさに改めて感銘を受けます。

 

最初の1〜2年は、狩猟や養蜂の腕を磨く事に時間をかけ、1年半ほど前に、やっとモノづくりを開始する事に。自分の獲った鹿や鳥の角や羽根、知り合いの猟師さんから分けていただいた鹿角、養蜂で見る蜂の美しさなどを材料やモチーフにし、創作活動を進めていきます。

 

「生き物は同じ種でも個体差があり、色んな生き物がいて、多様性に満ちている。そこを大切にしたいと考えています。ただ獲って終わり、とならないように、その生き物の美しさや、循環して自分や他の命となっていく事も意識して、単なる『物』になってしまわないように考えながら制作しています。」と語られていました。

 

昨年夏には、出展が難しいとされる長野県の松本クラフトフェアに出展。様々な人に作品を見て貰う機会を得る事で、活動の広がりを感じます。反面、人に見て貰う場や、同世代の作家との交流を増やす事の大切さも痛感。そんな時に、共同アトリエ『Soil』の存在を人づてに知り、アトリエのオープン時から入居されているそうです。

 

集う・見せる・交流するを掲げる『Soil』で、作家や地域の方々との交流を通じて、滋賀の方へも作品が広まっていく事と、今後の活躍を期待しています。

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