KIRARI MACHINOHITO

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【音楽】 宇野 成子(うの しげこ)

今回は彦根市深海浜町にお住まいの音楽家、宇野成子さんをご紹介します。 

長年、大阪にお住まいでしたが、17年前に今のお住まいに引っ越されてきました。しばらくは滋賀と大阪を行き来されていましたが、リタイアを機に定住され、ボランティアに趣味にと充実した日々を過ごされています。

 

子供の頃の通学途中に聞こえていた三味線の音。その時に心をひかれ、その音色を、「いつか自分で弾けたらいいな」と思われていたそうです。ある日、叔母さんが使っていた三味線を譲り受けるようになったのですが、教えてくれる人がどこにいるのやら。知人のいない馴染みのない土地、お友達づくりのために通っていた料理教室で、親しくなったお仲間に「三味線を習いたいんだけど」と話してみると、近くに三味線を教えている先生がおられると聞いて、その日のうちに訪問されました。今から16年前のことです。当時、彦根市内に200人ほどの生徒さんが先生に師事されていたそうですが…。宇野さんは「民謡三味線の先生に師事したから良かったんです。民謡だから親しみやすいし、続けることができた」と振り返られます。初舞台はその3年後、親戚の結婚式で演奏さました。「緊張して無我夢中で弾きました。誰も聞いていなかった雰囲気だったけどね」と笑って話される宇野さん。今では年間10回前後の演奏会をされ、『大師範』の免許を取得されていますが、初舞台はホロ苦いもんなんでしょうね。その年に宇野さんは、民謡、三味線を中心に日本の古典芸能を多くの人に知ってもらい、親しんでもらうことを趣旨として『藤の音会』を発足され、地域の人達の交流の場で、ボランティアの演奏活動を始められたのです。この行動力には頭が下がります。

 

 

4年後のサイパン慰問公演を機に、ご主人も日本舞踊を習って『藤の音会』に参画されました。その後は、旅先でボランティアをしながら旅を楽しむというスタイルで、ご夫婦を中心に6〜7人でサイパンや中国と旅行を楽しまれます。

 

「お役にたってる、役目を果たしているという気分になるのよ」と宇野さん。「歌を覚えなければ三味線は弾けませし、歌に合わせて練習しなければ演奏にならないんです。芸には頂点がありません」と、宇野さんは毎回一から同じ歌の演奏を積み上げられる、毎日の練習は欠かされません。毎日の練習の積み重ねが成果を生む、努力は嘘をつかないのですね。いつからか演奏に物足りなさを感じ始めた宇野さんは、三味線に合う何か良いモノはないかと日々思われるようになりました。ラジオを聴きながら車を走らせていると、ドレミポップコーンという聞きなれない名前の楽器が紹介されていました。お琴のようでお琴でなく、大正琴のような硬い音色でもない楽器。息子さんに電話して調べてもらうと、なんと、その楽器の考案者は長浜の人でした。すぐにご夫婦で訪問され、お琴より4弦多い17弦、全長は40cmも短いドレミポップコーンとご対面です。

 

この楽器はドレミの音階が奏でられるので、民謡三味線との相性はバッチリ。宇野さんは早速師事され、2年前に”セミ・プライマリー・インストラクター“を取得、さすが活動的です。現在では、民謡三味線、トランペット、ドレミポップコーンの演奏と踊りの構成で、一方通行にならない様にゲームやアクティビティーを交えて観客参加の工夫をされ、彦根を中心に県下一円の病院や老人ホーム、地域の老人会への慰問公演を精力的に続けておられます。宇野さんに慰問公演の醍醐味をお尋ねすると「若い頃に流行った歌や子供の頃に歌った唱歌とか、音が流れただけで口ずさんだり、一緒に歌ってくれる曲を演奏すると、皆さんが元気になっていくのがわかるんです。これって自然に脳や身体に働きかけるんですね。その姿を見るのが喜びですし、最高に楽しいひと時です」と笑顔で話して下さいました。

 

音楽は人を元気にする治療や薬のようですね。日本の伝統文化を大切にされ、守りたいと願われる宇野さんは、後継者の育成のために、一週間に2日、ご自宅で民謡三味線教室を開かれています。レッスン料は5千円/月。レッスンは月3回、ほとんどマンツーマンで60〜90分間です。

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