ふるさとに
芸術・文化・伝統・風土を育む
革製品の修理やイメージチェンジを多く扱っている桑原さんは、革製品の風合いや色の再現、取っ手や金物の付け替え、内外部の縫製修理まで、革製品の補修なら何でもお任せできます。但し、相談に来られたお客様のお話を聞き、現物の劣化状態や強度を確認してから。それともう一つ、正規店との補修の違いを説明し、お客様が納得してもらえければ引受けられます。「直して転売されたりすると、査定で思っていた金額を出されなかったりします。また、オリジナルの金物は手に入りませんから、ブランド品としての復元には限界があるんです。その反面、正規ブランド店にはできない表面補修や染め直しで、新品の頃を再現する事はできますよ」と話されます。多くは色合わせによる着色、塗装の技術を活かした、色はげ、こすれ傷、ひび割れなどの補修や部分張替えです。なかには通常の張替え業者にはできない、廃盤になった高級ソファーの復元もあります。これだけに留まらず、ジャケットやコートなどのアパレル商品まで、革の製品であれば幅広く対応してくれます。
「未だ修行中」と謙虚な桑原さんですが、8年前まではパーツ取りをしながら車を解体する仕事をされていました。そんな時でも「いつかは自営でできる仕事がしたい」と思い続けてこられたそうです。ある日、知人が車のリペアの仕事を始められ、大きな費用は掛けられないけれど、内外装の小さなこだわりを満足させる修理のニーズは、たくさんあるのだと知らされました。「それならブランド品の革製品の修理はどうだろう。県内にはライバルとなる企業も少ないし」とこの仕事に携わることを決められます。起業を決めたものの、当時の桑原さんには修理のノウハウも、何もありません。革職人さんに師事したり、研修会に参加したりと革職人になるすべを調べた挙句、あるFCオーナーとの出会いがありました。この人の仕事が好きだと感じる経営姿勢に感銘し、革研究所のFCに加盟されます。「FCと言っても職人としてのスキルアップを優先しますから、センスとやる気が大事です。私はプラモデル作りの趣味で培った、根気のいる細かな作業が好きだったので、あきらめることなく続けることができました」と笑われます。とは言うものの開店休業の日々。インターネットやSNSでPR活動を続けられ、今では県内全域、2~3割は県外のお客様の依頼があると言われます。そんな桑原さんが大切にされている事は「ひと手間かけて、お客様の求められている以上の仕事をすること」。何よりの楽しみは「お客様と直接出会えて、喜んでもらえる顔を見られること」だとか。今後は仕事の際に出る革の端切れの有効利用として、オリジナル商品を作りたいと夢を語られます。益々のご活躍をお祈りします。
革製品修理、染め直し専門店 『革研究所 滋賀東近江店』
東近江市南菩提寺町690-1 ☎ 0749-20-7519
E-mail : support-shiga-h@kawa-kenkyujyo.com
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