KIRARI MACHINOHITO

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【画家】 福山 敬之(ふくやま のりゆき)

今回は東近江市平田町にお住いの画家、福山敬之さんをご紹介します。

子供の頃から絵が大好きだった福山さんに、絵を描き始めたきっかけをお聞きしました。「小学生の2,3年生の頃でしたかね。雪が降った後、残雪がのった色が鮮やかな松の風景に感動して、慌てて家に帰りその風景を絵に描いたのですが…、全く描けなかったんです。悔しくていつもスケッチノートを持って歩くようになったんです」と話して下さいました。しかし、学生時代のクラブ活動で美術に関わることもなく、高校では機械科に入られ、美術から離れた時期を過ごされます。高校卒業時に、進路についてあれこれ迷われたのですが、ともかく美術がやりたいと思い、先生のアドバイスもあって美術大学の日本画科に進まれます。写実を追わず、陰影が無く輪郭線があり、色調が濃厚で表現が簡潔などの絵の特徴と、顔料や着色にも独特の技法があるなど、日本画の世界の深さと多彩さに圧倒されました。また、日本美術院(院展)、創画会、日本美術展覧会(日展)など日本画壇の団体展への出展で評価されていくか。画廊で個人やグループの展示会を開催し、広く一般に評価されていくか。この二つしか活動手段がないのでした。一度だけ日展に出展されますが入選できず、そのうちに先生が団体から脱退されたため、個人制作の道を選択されたのでした。福山さんの作風は、従来の概念にとらわれない前衛的で新しい表現をする現代アートと、日本画とを融合させたもの。アルバイトをしながら創作活動を続け、出来映えの良い作品を選び、貸し画廊で個展を開催するというものでした。展示会での作品の批評が面白くなく、何でこの絵の意味が解らないのかという思いで一杯だったとか。「後日、若い頃に色々な人に言われていたことに気付くんです。でもこの環境でやるしかないと頑張っていましたが、当時の作品を今見ると、寂しい絵を描いてましたね」と福山さんは話されます。

 

その後も「自分の絵ってなんだろう?」と自問自答の制作が続き、多くの作家とも出会い、どんどん作風も変わっていきました。「自然との一体感を味わいたい、それを表現したい。その風景を見た時、この画面を見て欲しくてたまらないという、風景画家としての自分が解ったんです」と話されます。かつての気負いもなく、感動的な身近な景色を淡々と描かれています。

 

2011年6月アメリカミシガン州在住の木版画家、リンダ・ピーマンさんが日本の伝統文化の木版画を勉強に京都に来られた際に、知人の紹介で出会い、滋賀で短く深い交流をされたのです。帰国後リンダさんは、ミシガンで姉妹州県委員会に国際交流展を提案され、それを受けて翌年滋賀でも、福山さんを中心とする実行委員会ができ、2013年7月渡来『アート・フロム・ザ・レイクス 湖からの芸術』がランシング・アート・ギャラリーにて、展示会とワークショップを8月から1ヶ月間開催されました。2014年9月には日本で、ギャラリー唐橋と蔵元藤居本家欅の大広間にて開催されます。「開催資金も乏しく、何とか4人展で開催しました。会場は画廊や美術館ではなく、美術を評価できる可能性のある地域の会場を探していたら、偶然、酒造の藤居本家さんが提供して下さったんです。結局お金と時間の問題で、交流展はこれを最後に中断となったんですがね」と話されます。とても貴重な体験と時間を過ごされたのですね。現在も仕事を終えると、創作活動にいそしんでおられます。これだと感じたことを、感じたまま表現するにはどう描けば良いのか、その気持ちだけで描かれています。風景画家として蒲生野の活き活きとした自然を、後世に伝えていって欲しいですね。

 

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