KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

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【画家】 北川 幸夫(きたがわ ゆきお)

今回は東近江市五個荘伊野部町(旧五個荘町)にお住まいの、多趣味で凝り性で、好奇心一杯の北川幸夫さんをご紹介します。 

中学生の時に体育、美術、建築のいずれかの仕事をしたいと思われていた北川さん。結局若い時にしか出来ない「体操がしたい」との思いが強く、体操部のある高校から体育大学へと進まれ、高校の体育学科の教諭になられました。大学在学中にも美術への思いは消えず、青木繁さんとゴッホの図録を下宿に持ち込み、そこの襖に青木繁さんのわだつみのいろこの宮 を模写されました。卒業の際に大家さんと交渉し、無理をお願いして襖を譲ってもらえたそうです。今もご自宅に大切に保管してあるとお聞きしました。

 

卒業後、高校教諭となられた3年後に、北川さんは彫塑の制作を始められました。頭部、足、手とほんの数点だけ制作されたそうですが、転任と同時に、地域のジュニアの体操をほとんど毎日、夜遅くまで指導されるようになり中断。新たにスキーの指導員の資格取得に挑戦されスキーにも熱中、昼は雪山、夜は体操の指導と充実したスポーツライフを9年間続けられました。そして転任。新しい赴任地で、また新しいことに挑戦、次はゴルフです。

 

でもここで、絵心が再燃します。湖南・湖東地域の地元の美術愛好家が主宰される八美会に入会され、月一回ではありますが絵画の創作活動を始められたのです。その後、福田重男氏に具象画(現実に存在する目に見えるものを描く)を師事、光風会展に5回出展され2回入賞されました。しかし…具象画は技術が必要で、その取得には時間がかかります。その当時、スーチンやデ・クーニングを知り、自己の心の様を表現しようとした具象画の絵に出会われ心象や半具象の絵に興味を持たれました。以来、北川さんは半具象の絵を描かれるようになります。「半具象の絵は自分の心の持ちようで絵の見え方が変わる。勇気を与えたり、悩みを和らげたり、人を元気にできる絵なんです」と話されます。国画会へ移られた北川さんは今年9年目を迎え、国展に7年連続で入賞されています。今年もGWに国立新美術館で開催された、第85回国展に出展されました。そしてここ数年は、関西と関東で4〜5回の個展を開かれ、今夏8/16〜21の間、京都の画廊アートスペース虹にて個展が開かれます。

 

「具象画は売れるけれど、半具象画は売れないんです。日本人は絵の意味を解りたいんです。それが納得できないと評価できないんですよね」と北川さん。ひょっとすると、日本よりも世界で先に認められるかも…。北川さんの目標は年間100点作品を描くこと。「生涯2000点位の作品を描かないと画家としては認められませんからね」と笑われます。

 

体育科の教諭、洋画家、地域の仲間達と始めた身近な自然や里の風景の保存・整備活動。そして、今年の秋も開催される アピアまるごと美術の秋 のアートイベント・リーダーとして、地域のアートによる活性化を熱く語っていただけました。

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