KIRARI MACHINOHITO

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【日本画家】大西 健太(おおにし けんた)

今回は近江八幡市にお住いの、日本画家 大西健太さんをご紹介します。
中学、高校とテニスに明け暮れ、3年生の夏までテニス三昧の大西さんですが、もう一つの顔がありました。もともと子供の頃から絵が好きだったので、体育祭では応援席のバックの看板の絵を、一手に引き受けて描かれていたのです。そんな訳で絵を描く道を選ばれた大西さんですが、絵画教室の夏期講座に行っただけで、後は習ったとおりに自分でデッサンを描く毎日でした。「今まで自由に描いていたのに、習ったデッサンは型にはまった描きかたばかり。受験をしながら疑問を持ちながらもデッサンを描き続けられますが、これでは受からないよなと思ってました」と笑われます。信じられなかったようですが、美術大学に合格され、日本画を専攻されます。

大学では本格的に日本画の創作活動をされました。3回生になる頃、大西さんに変化が起きます。「大学は絵を自由に描くことが認められている所だけど、社会に出たら美術は結果を出さないと認められない」と真剣に危機感を感じ、腹をくくると、縛られたものから解き放たれた様に、本気で自由な気持ちになれたそうです。モチーフは10代の頃から好きだった、ロックとグラフィティー(落書き)。
それらを自分のフィルターを通して描かれます。「いつも自分のかたわらにあった音楽や絵が刺激になり、自分の好きなモノを日本画の枠に捉われず、日本画の幅を広げたいとストリートカルチャーを描いてみたんです」と話されます。2006年京展賞を皮切りに、日展や日春展に入賞されます。

 

2011年、日本中の人達をどん底に陥れた東日本大震災を機に、大西さんの作風に転機が訪れます。時代に反発し共に闘うメッセージの作品が、過酷な自然を受入れ、普遍の優しさに感謝し、命や絆という心の復興と平和に願いを込めた作品へと変遷したのです。「自分に何ができると考えた時、芸術で人や世の中の力となり貢献できることだと思ったんです。見る人に寄り添い、暗闇を照らすような力となる絵を描くと決めて取組みました。今まで後ろ姿ばかりを描いていたけど、しっかりと立って未来を見る少年を正面から描くことで、テーマに合わせた色彩に絵が変わってきたんですよ」と大西さんは話されます。この作品「EARTH」は、2012年の日展特選を受賞されました。翌年、滋賀県文化奨励賞を受賞、その後は人物画をメインに描かれ、日本画のより深い特性を意識した色彩の創作活動をされています。2015年改組新第2回日展で京都新聞賞、2018年第2回新日春展で新日春賞・山口蓬春記念館賞を受賞され、精力的に活動を続けられます。昨年は地元近江八幡のかわらミュージアムにて『SoulZone・SoldierZone』の2つのスペースを設けて、FREE SOULと題した2ヵ月間の初個展を開催されました。「Soldier Zoneは戦士をイメージしたストリートスタイル、Soul Zoneは魂や命をイメージした平和スタイルと言う感じですかね。

 

2面性を持った僕の表現を見てもらいたいと企画したんです。絵の中は自由。全てイメージの創造を組み立てて作画してきました。絵は描けば描くほど難しいですが、その中に身を置き続ける事は僕にとって幸せな事です。」と話されました。
創作活動は決して楽ではないけれど、辛く落ち込んでしまうしんどさを楽しみながら、今後も力が伝わる絵を、誰かに届けたいという強い思いで描き続けたいと目を輝かせられます。大西さんのご活躍をお祈りします。

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