KIRARI MACHINOHITO

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【ドール服のハンドメイド】木村 幸子(きむら さちこ)

今回は東近江市垣見町(旧能登川町)にお住いの、木村幸子さんをご紹介します。

 

子供の頃からずっと人形が大好きな木村さんは、桃の節句に飾るお雛様をひな壇から降ろして、座敷に並べてよく遊んだと振返られます。小学生の頃のお誕生日に買ってもらったスカーレットちゃん(中島製作所) の人形が嬉しくて、人形の着せ替えをして遊ぶ毎日でした。それもそのはず、お婆ちゃんが何着も新しい服を縫ってくれ、日に日にスカーレットちゃんの衣装が増えるのですから。家に帰ればスカーレットちゃんやリカちゃん(タカラ)の服が選り取り見取り、それが当たり前だったのです。また当時の木村さんの洋服は、多くがお母さんの手作りだったと言われます。手先の器用な、手芸一家ですね。そんな訳で、木村さんも短大の被服科へ進学されました。

 

結婚後、子育てに追われる毎日が続きます。子供さん達が幼稚園に入園される頃、ある書店でジェニーちゃんのドールブックを見つけられ「コスチュームをいつかは作りたい」という気持ちに火がつきました。早速、その本を購入された木村さん。今ではドールブックは15冊を数え、唯一手に入らなかった1冊は、図書館で借りてコピーを撮られるという入れ込みようです。
「人形の型紙を起こすのは結構難しいんです。だから作りたいと思っていても、躊躇して迷ってばかり。それが、こんなに簡単にコスチュームを作れる本があったので、凄いって嬉しくなったんですよ」と熱く話されます。

 

雛人形を作られる人形工房の内職を経て、本格的に工房で10年間、雛人形の着物作りから着付けまでを任される仕事をされました。「雛人形や立ち雛人形を作らせてもらいました。中でも立ち雛はバランスが難しくて、着付けをするにも苦労をしました」と話されます。仕事や育児や家事の合間に、ジェニーちゃんのコスチューム作りに精を出される木村さん。今もジェニーちゃんは28体持っておられ、都度様々なデザインのコスチュームの製作中は、オリジナルのモノが着せられることが嬉しくて、完成した時のジェニーちゃんの姿を想像して、わくわくしながら疲れ知らずで取組まれます。一つのコスチュームの製作は、1ヵ月以上かかると言われますが…。「お友達の結婚祝いにと、ジェニーちゃんにウェディングドレスを着せたウェルカムドールをプレゼントした時は、集中して一週間で仕上げたんですよ」と笑われます。自分の好みやこだわりに合わせて、思い思いのオリジナルの服を作ると「持っている人形がこんなにも変るなんて凄い」と感激されるそうです。

 

子供さんの結婚を機に自分の部屋をもらい、長年ダンボールに詰め込んでいた人形やコスチュームを出して、本棚に人形を並べて飾れるようになりました。同時にジェニーちゃんのコスチューム作りも再開され、可愛い白無垢綿帽子のお嫁さんの婚礼衣装を完成させ、もっか紋付袴姿のお婿さんの衣装を製作中です。

 

これからも大好きな人形を、可愛く、素敵に、この世に一つしかない、木村さんだけの特別な存在にして下さいね。

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