KIRARI MACHINOHITO

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【日本画家】 西本 実紀(にしもと みゆき)

今回は東近江市垣見町(旧能登川町)の共同アトリエSoil(ソイル)で創作活動をされている、日本画家の西本実紀さんをご紹介します。

 

今年、美術大学の修士課程を卒業された西本さんは、物心のつく頃から漫画の絵をマネたり、似顔絵を描いたりと、何よりも絵を描くことが好な女の子でした。

 

「このまま絵を描き続けたい」との西本さんの思いとは裏腹に、高校受験や大学受験の度に試練が待ち受けました。ご両親が作家という厳しい世界での娘さんの未来を案じ、その道に進むことに反対されたのです。一旦は受入れられ、新たな道に進まれるのですが…、美術への思いは強まるばかりです。大学受験の実技のためにと、通っていたアトリエの先生からも美術大学への進学を勧められ、家族会議で日本画家への夢を勝ち取られました。とは言っても、最初の一歩を踏み出しただけなんですけどね。これからが勝負です。

 

思う存分絵画を描ける環境で日本画を学ばれますが、子供の頃からよく描いた人物をなぜか思うように描けません。大きなショックを受けられ「人を描くことがあんなに好きだったのに」と悪戦苦闘で悩み抜かれます。ちょっと気分転換にと身近な風景を描いてみると、想像以上に上手く描けました。以来、無機質で人工的な、決してキレイとは言えない雑多な街の風景を描き続けておられます。「コンクリートの壁に描かれた落書き、部屋の前に立掛けられた傘、喫茶店の中に置かれた赤電話。そこに人の気配を感じた時に、描きたくても描けなかった人を描いているんだって感じています」と話されます。5年前から高校時代のアトリエの友人達と、グループ展『SPROUT』を京都で開催され「仲間の皆さんのモチベーションの高さに、毎回多くの刺激をもらっています」と話されます。その刺激をエネルギーとして、2017年第1回『新日春展』や『全関西美術展』に初入選。昨年は第5回『改新 日展』に初入選、『全関西美術展』佳作入選。今年は第6回『改新 日展』入選。2月に京都のギャラリーで開催された初めての個展も好評で、メキメキと実力を発揮されています。

 

西本さんの成長のエネルギーはもう一つ、人との出会いを大切にされていることです。「頼まれ事は試され事」という言葉がありますが、西本さんは「断らない」「フットワーク軽く」を心がけ、公私共に可能な限り、依頼される事や誘いを断ることはなく取組まれています。頼まれ事が様々なご縁となり、今の自分の成長につながると実感されているからです。今もSoilまでは2時間の移動時間が掛かるのですが、プラス思考で「気持ちを切り替える良い機会になりますから、全く苦になりません」と笑われます。

 

現在は仕事もあり、思う様に創作活動の時間も取れませんが、日本画家として一人立ちをしたいと強い想いの西本さんは「もっと良い作品、良い表現が出来ないかと自問自答する創作活動を続けていますが、まだまだ満足いかず、絵を売ることには抵抗があるんです」と話されます。自信を持って作品を買ってもらえる日が来るように、短い時間でもしっかり絵と向き合い関わり、グループ展や公募展に出展を続け、日本画家として成長したいと意気込みを話されます。今年の日展入選作品が来年2月に、大阪市美術館で開催される日展巡回展に展示されます。是非ご覧頂き、西本さんの意気込みを感じて欲しいですね。益々のご活躍をお祈り致します。

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