KIRARI MACHINOHITO

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【尺八奏者】 道尾 芳和(みちお よしかず)

今回は近江八幡市堀上町にお住まいの、尺八奏者の道尾芳和さんをご紹介します。

 

8年前のこと、隣人が吹くサクスフォンの音色が気になっていたそうで・・・「もう少し高い音の出るアルトサックスかクラリネットを吹いてみたい」と思っておられました。ある日、たまたま会議で出向かれたコミュニティーセンターで、聞きなれない楽器の音が聴こえてきました。「興味津々で覗いてみたら、女性が尺八を吹かれてたんですよ。文化祭の発表に向けて練習中でしたが、ご挨拶をして少し話をさせてもらいました」と道尾さんは話されます。

 

しばらく時間が経ちましたが、改めて邦楽クラブから練習会への誘いがあり、道尾さんは参加することになりました。信山先生の尺八を借りて、毎週練習に通われました。練習はいつもマンツーマンで指導され、あっという間の1時間。「5つしか穴がないのに8つの音階を出すんです。指の使い方もありますが、息の吹き込み方や首の振り方だけでも違う音になるから、同じ音を出すのが難しいんですよ。先生と一緒だから、本当にちゃんと音が出ているか心配になるときもあります」と笑われます。

 

尺八は真竹の根元を使用して作る、長さ一尺八寸管(約54㎝)の五孔(前に四穴、後に一穴)三節のものが一般的ですが、一尺一寸管から二尺四寸管までの物もあります。古くは一本の竹を切断せずに延管を作っていましたが、現在は一本の竹を中間部で上下に切断してジョイントできるように加工したものが主流です。さて尺八の演奏ですが、普化宗の僧侶である虚無僧のみが演奏できる法器として、仏教葬式や修行に使われましたが、明治時代になって普化宗の制度が変わってから、純粋に音楽としてのみに尺八を扱うようになりました。同時に、筝(そう・琴)と三味線との合奏に、尺八が加えられ、音楽の種類として「筝曲」「地歌」「尺八楽」の三つの総称とした「三曲合奏」が盛んになりました。音楽的立場を主とする琴古流と都山流、それから別れた流派が「三曲合奏」を行なっています。道尾さんの先生は、その都山流の北林信山さんです。

 

練習の成果を見せる発表の場は年3回。お正月の弾き初め、6月の「信長祭り」、11月の文化祭です。写真は昨年の文化祭での演奏風景。蝶ネクタイが決まってますね。腕前も平成21年10月入門から、翌年に「初伝」、その翌年に「中伝」、平成24年には「奥伝」「皆伝」と上達され、「准師範」となって先生の一文字を授かり、道尾信芳の演奏家としての名前をもらわれました。

 

「ちゃんと吹けているか自信はありません。昇段のお披露目の場である都山流滋賀県支部の演奏会にも、仕事の都合で出られていませんし・・・。弟子の腕前は師匠が決めることですからね。けれど上手く演奏できたり、上達したなと感じることが楽しみでもあり、励みになりますよね」と話されます。将来は、お琴や三味線との合奏や詩吟の伴奏だけでなく、他の楽器とのセッションなどもできれば出来ればと大きな夢を語られる道尾さん。
まずは、Jポップの尺八演奏に挑戦中です。
6/4には近江八幡文化会館にて発表会があります。是非、お出かけ下さいね。

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