KIRARI MACHINOHITO

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【家具作家】 渡辺 徹夫(わたなべ てつお)

今回は東近江市山上町(旧永源寺町)にお住いの、木工作家の渡辺徹夫さんをご紹介します。

 

渡辺さんの奥さんは画家。結婚後も精力的に活動を続けられ、奥さんが絵を描くことが中心の生活だったそうです。絵画や陶芸などの作品を見る機会もたくさんあり、「サラリーマンしかできない」と思っていた渡辺さんに、作家となる劇的な出会いが…。ある日、小さなガラス絵と流木の額を見られ、「こんなモノなら僕にもできるかもと木工を始められました。しかし、渡辺さんの師匠は本だけ。技術も知らない、道具も満足になく、あるだけの道具でできる創作活動が始まりました。

 

最初の作品は、虫つかみが好きだった子供の頃を思い出し、薄く削った木に吹き漆で仕上げる蝶のブローチでした。ご縁あって、デパートで一週間の展示会を開催することができ、10年間も連続開催されたそうです。その体験を渡辺さんは「自信を持って展示するモノが売れず、自信作でないモノが売れた。自分が気に入ったものが一般受けしないと解ったけど、やっぱり自分の気に入ったモノを作りたい」と話されました。その後、自分で売ると決意された渡辺さん。自宅近くの瓦工場の2階のアトリエが手狭になったことや、ギャラリーも併設したいとの希望を叶えるために、創作活動の拠点を湖東や湖北、遠くは岐阜県まで探されました。ようやく見つけた永源寺のギャラリーは、ここに住むのなら、という条件で事で手に入れたそうです。いよいよ、渡辺さんご夫婦の創作活動と田舎暮らしの始まりです。

 

「田舎暮らしに憧れたわけではないけれど、バードウォッチング、釣り、椎茸作り、わさび栽培や色々と田舎暮らしを十分楽しみました」と話さます。「家具を造ることは好きじゃない、クラフトとして木工に取り組む」という渡辺流の創作は、素材からでるメッセージを家具として形にされますから、使い勝手など一般うけする様なモノではないようです。しかし、「あの場所にこんなのが欲しい」というお客様と、求めているイメージがバッチリ合うと、気に入られてすぐに売れるようです。「お金を下ろしに戻られて、その日のうちに買って下さったお客様もいましたから、それには驚きましたと渡辺さん。制作の勉強のために博物館周りをされることもしばしばですが、作風よりも素材・材料に興味をひかれるらしく、目に適う材料を探すために近くの材木屋さんでも、様々物色される事が日常だそうですが、こんなエピソードを話して下さいました。「不思議な事が起こるんです。急にビックリするくらい良い木が、自分のところに飛び込んでくる様になったんですよ。

 

素材・材料と出会い、それの良さを如何に活かす作品をつくるかを、求め続けている渡辺さんだから起こる必然なんでしょうね。今後の夢をお聞きすると「創作活動の醍醐味は素材・材料に尽きる。創作のイメージが材料の存在感や魅力を最大限に活かせる、そんな作品づくりに挑戦するのが醍醐味だからね。自分の手で木に命を吹き込む仕事。品物を見て、これは渡辺の作品やと思われる様になりたい」と話されました。

 

ギャラリー・アカヒョウシンさんは、永源寺政所町の旧政所小学校の川向にあります。ちょっと解り難いですが、一度お越しになって、是非ご覧になって下さい。

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