KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

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近藤 ゆみ子(こんどう ゆみこ)さん

今回は近江八幡市安土町上豊浦(旧安土町)にお住いのよし笛演奏家、近藤ゆみ子さんをご紹介します。

 

ピアノ演奏者として活躍されていた近藤さんは、ピアノ教室の教諭として音楽に親しみ、将来の演奏者となりうる子供たちの指導に励まれていました。26年前のある日、後によし笛演奏のパートナーとなる菊井さんが、ピアノ演奏を聴きに来られたそうです。よし笛を考案された菊井さんは、よし笛の普及のためにピアノの伴奏パートナーを探されていたのでした。柔らかで優しい雰囲気を醸し出す近藤さんのピアノ演奏は、よし笛との相性がとても良いと菊井さんは感じられたようです。その後、近藤さんが菊井さんのよし笛を聞かれます。「その音色は耳というより体で聞くという様で、全身から自然との歌声が体の中に入ってくるという感じで、いつまでも身震いしていたのを覚えてます」と話されます。早速、伴奏パートナーとしてセッションするために、ピアノとよし笛の音階の違いを合わす、よし笛用の伴奏譜面を作ったり、よし笛のために作曲をしたりと準備をされます。お二人の初めての演奏会は琵琶湖汽船のミシガン号船上。菊井さんのよし笛に合わせてピアノを弾かれたのでした。以来10年間、よし笛を吹く菊井さんのピアノ伴奏パートナーとして二人で演奏され続けられました。

 

菊井さんは以前から「近藤さんも吹いてみたらって言われてましたが、10年間は吹きませんでした。実は吹いてみたけど音が出なかったの。悔しくて隠れて練習して、人前で吹ける様になったのが、菊井さんと出会って11年目なんですよ」と笑われます。10年損をした気持ちにもなられたそうですが、10年間よし笛の演奏を聴いて感性を磨けたからこそ、今のように吹けるようになれた、と思う様にされています。それから今日まで、よし笛奏者として活躍されています。

 

2007年に滋賀県で開催された第27回全国豊かな海づくり大会は、大会史上初の内湖大会となり『この湖(うみ)を守る約束 未来のために』をテーマに、水環境保全意識の向上と琵琶湖漁業の再生を訴えるものでした。まさによし笛はこのテーマのためにある様なもの。「琵琶湖とよし笛に合う曲」として、近藤さんが作曲された『湖の願い~煌めき~』を天皇陛下ご夫妻(現 上皇陛下ご夫妻)の前で演奏されることが決まりました。「両陛下の前での演奏時間は決まっていて『湖の願い』の元詩では足りないんです。陛下をイメージした8小節、妃殿下をイメージした8小節を足すことを考えましたが、メロディーが生まれないんです。ある晴れた日に沖島へ行って、湖西の対岸を眺めていたら、流れる雲に煌めき波立つ光の道が現れたのです。これだ!!!と思った瞬間にメロディーが湧いてきたんですよ」と話されます。そして再び、2022年「鹿深夢の森」で開催された第72回全国植樹祭にて、天皇・皇后両陛下の前でオリジナル曲を3曲演奏されたのです。素晴らしい。でも緊張しますよね。

 

今ではたくさんの生徒さんによし笛を教える近藤さん。他の楽器には考えられない、よし笛の不思議を話して下さいます。「よし笛はテクニックだけでは上手く鳴らない。大切な人やモノをイメージして吹くと思いで音色が変わるんです」。日本よし笛協会の副理事長も務められ、公私共に大忙しの近藤さんですが、12年前から毎年クリスマスソロコンサートを無料で開催されています。一昨年から真っ赤なドレスを身にまとい、魅力たっぷりの120分を演出されています。「80歳になっても、この赤いドレスでやり続けたい」と笑顔で話して下さいました。益々のご活躍をお祈りします。

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