KIRARI MACHINOHITO

キラリ・まちの人

ふるさとに 
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布施 美子貴(ふせ みずき)さん

今回は成安造形大学の鉄工ラボで勤務されている、造形作家の布施美子貴さんをご紹介します。

 

長浜市余呉町の自然の中で生まれ育った布施さんは、植物や石、地形に興味を向けて遊ぶ幼少期を過ごしていたと言われます。「もともとは絵が好きでした。でも、身の回りの素材を拾い集めたり、組み合わせたりすることも好きでした。草木を採って糸を紡いだり、染色をしたり、粘土質の泥を練って遊んでみたり。成長するにつれて手に入る素材が増え、手段が増え、自分が本当に興味のあるものは平面より立体ではないかとじわじわ自覚しました」と布施さんは振返られます。美術学科のある高校に進学し、その後、空間や素材に触れることのできる分野を求め、大学では住環境デザインコースに進まれます。「大学ではそれぞれの個性を大らかに見守ってくださる先生方に恵まれ、自分の考えを大事にしていいのだと思えるようになりました。また、図案から立体をおこすことが苦手な私には、手を動かしながら考える油土での立体造形がとても合っていました。今思うと、建築ではなく形を作ることが好きで、やりたい事だったと気付かせてもらいました」と笑われます。以来、プロダクト的な作品は図面から、アート的な作品は粘土で模型を作り、写真に撮って図面制作されています。

 

卒業後は古民家再生を手掛ける、建築設計事務所に勤められます。図面制作やパーススケッチの作成、模型作りや測量作業など、今につながる基礎的なことを働きながら学ばせてもらったそうです。「元ある形や素材を活かし、蘇らせる古民家再生のお仕事は、とても勉強になり刺激を受けました」と話されます。在職中に『まちかどあかり展』として地域のイベントへの参加をきっかけに、背中を押される様に再び造形作家として活動をはじめ、母校である大学へ戻り造形活動とサポート業務に従事しておられます。

 

布施さんは「強度があって壊れにくい」という理由で鉄の素材を選ばれたのですが、溶接技術を学び鉄を扱ってみればみるほど、その無骨さとは裏腹な自由度の高さや、工夫次第で変化する面白さに魅了され、今では強度以上に「素材としての魅力」にひかれて制作されています。特に照明作品が多いのは、展示会場が古民家やイベント会場等、ギャラリーの様な作品展示を目的としない場所での展示発表会が多かったため、照明設備やスポットライトがない中で作品の見せ方に随分と苦労をされたからだそうです。そこで「照明を必要としない照明作品を展示しよう」と発想を転換され、照明作品の創作を始められました。現在では、展示会場の環境に合わせて、照明作品と造形作品を使い分けたり、組み合わせたりして表現の幅を広げられ、鉄やステンレスを溶接してフレームを作り、樹脂や和紙や柿渋などで染めた紙を使って、空間表現できる照明を中心に製作されています。また、地元地域で活動をしつつ自身のオリジナル工法であるペーパーグラスアートの発想を広げられないかと、教室形式で生徒さんを巻き込んで可能性を探っておられます。はんだ付けと和紙、薬品を組み合わせたペーパーグラスアートは、すりガラス調でありながら軽くて丸洗いが可能とのこと。「教室も開催から一年がたち、生徒さんの完成作品も増えてきたため、一緒に展示発表する機会を定期的に計画しています。生徒さんの数だけ個性豊かな作品があり、ぜひいろんな方に見ていただきたいです」と布施さん。創る、教える、楽しむ、見せる、布施さんの活動はさらに広がります。ペーパーグラス教室は米原と高月の2ヶ所で開催されています。興味・ご質問などありましたら下記のメールから是非!お問い合わせ下さい。

 

https://f-mizuki.weebly.com/

E-mail   paperglasslamp@gmail.com

 

・ペーパーグラス米原教室(滋賀県立文化産業交流会館3階))

【第1土曜日】13:00~15:00

・ペーパーグラス高月教室(高月まちづくりセンター)

【第2・4日曜日】13:00~15:00 ※随時募集中【現在午前の部は満席です】

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